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徹底解説:従量課金制ガイド
従量課金制とは何ですか?
従量課金制は、顧客がサービスや製品を利用した分だけ課金・請求される戦略です。例えば、APIコール数、使用したデータ容量(ギガバイト)、消費電力量(キロワット時)、あるいはチャットボットの出力内容などが該当します。
この柔軟な価格設定アプローチは、顧客に対して価値と透明性を提供し、信頼とロイヤルティの構築につながります。コンサンプション(従量課金)モデルは、クラウドコンピューティング、公共料金、通信など複数の業界で活用されており、企業が顧客のニーズや利用状況に応じてサービスを拡張できるようにしています。さらに、従量課金制およびハイブリッドモデルは、AIや生成AI(GenAI)関連のオファーにおいても、ベンダーと顧客の双方にとって急速に主流となりつつあります。
コンサンプション(従量課金)モデルの導入は一見すると非常に困難に思えるかもしれませんが、本ガイドでは、貴社全体でこの変革を成功裏に進めるために必要な知識と戦略をご紹介します。
Usage is fast emerging as the pricing model of choice for companies across industries, especially those developing and launching new GenAI offers. This is because the model provides good alignment with and demonstration of value to the customer.
Subscribed Institute research has shown that many of the fastest growing SaaS companies leverage a usage-based model. In fact, the number of companies employing some form of usage-based pricing increased 9% to 26% between 2020 and 2022.
なぜコンサンプション(従量課金)モデルはこれほど人気なのでしょうか?
従量課金制は競争上の差別化要因となり得るほか、販売コストの削減や参入障壁の低減にも寄与します。また、ハイブリッドモデルの一部として従量課金制を活用することで、企業規模を問わず、年間経常収益(ARR)の対前年成長率が向上することが示されています。
顧客は、投資対効果(ROI)の明確化や初期リスクの低減をますます求めており、自社がどれだけ製品を利用し、どれほどの価値を得られるのかを把握したいと考えています。実際、顧客の80%が、従量課金制は受け取る価値との整合性が高いと回答しています。
顧客は、初めて製品を試す際には柔軟性を重視するため、シンプルな従量課金制は新規顧客のオンボーディングに適した選択肢となります。しかし、製品の利用が進み、顧客が貴社のソリューションに自信を持つようになると、より高い予測可能性を求めるようになります。そのため、顧客との関係が深まるにつれて、製品の利用方法に応じた課金方法も変化することが期待されます。結果として、貴社のマネタイズ機能も顧客の期待に応じて柔軟に対応できる体制が求められます。
コンサンプション(従量課金)モデルが最適な選択かどうか、どのように判断できますか?
従量課金制を導入する際には、継続的な成長を実現するために「企業および製品」「ユースケース」「価格モデル」という3つの重要な要素を考慮する必要があります。
企業と製品
従量課金型ビジネスモデルは、成長を促進する強力な手段となり得ますが、リスクや投資に対する懸念から導入をためらう企業も存在します。必要な機能を構築し、適切な状況で導入することが重要です。以下の要素を検討してください。
- テックスタック: 柔軟な利用に対して、全体のテクノロジースタックはどのように整合していますか?Infrastructure as a Service(IaaS)やPlatform as a Service(PaaS)企業でAWSスタックを活用している場合、柔軟な利用が重要となり、コンサンプション(従量課金)モデルが非常に適合します。AWS EC2、Snowflake、Fivetranは、柔軟な利用において相互補完的かつ整合している3つの異なるテクノロジーサービスの例です。
- プロダクト主導成長(PLG) vs. セールス主導成長: 純粋なコンサンプション(従量課金)モデルは、プロダクト主導成長と特に相性が良く、新たな契約を販売せずとも自然に拡大します。セールス主導のパラダイムでも従量課金制は活用できますが、コミットメント型の支出やハイブリッド型契約の方が適している場合が多いです。
- 固定コスト vs. 変動コスト: 売上原価(COGS)が予測しやすく、利用パターンが安定している製品には、ユーザー単位の定額サブスクリプションモデルが適しているでしょう。一方で、消費量の変動やコストが大きく変動する製品(例:多くの生成AIユースケース)には、従量課金型、成果報酬型、またはハイブリッドモデルの方が適しています。
ユースケース
当社のデータ分析から得られた重要な洞察として、従量課金制の導入の多くは、実際には従量課金と定期課金を組み合わせたハイブリッドモデルで実施されていることが明らかになりました。導入に成功している企業は、提供する価値やメリットとより整合するユースケースをターゲットにする傾向があります。
コンサンプション(従量課金)モデルがより適している代表的なユースケースの一例は以下の通りです。
- 需要が急増・急減するプロファイル(例:特定のアナリティクスワークロード、Snowflakeなど)で、予測可能性よりも柔軟性が重視される場合。
- 季節変動のあるビジネスおよび業界分野(例:ホリデーシーズンの小売テクノロジー、確定申告時期の会計士など)。
- トークン消費量が変動する生成AIツール。
価格モデル
コンサンプション(従量課金)モデルを計画する際には、どのような価格設定オプションがあるのかを把握しておくことが重要です。戦略を最適化する過程で組み合わせて利用できる代表的なオプションをいくつかご紹介します。
- 純粋な従量課金: 「使った分だけ支払う」コンサンプション(従量課金)モデルは顧客に最大の柔軟性を提供し、製品を利用しなかった月は支払いがゼロになる場合もあります。
- 超過料金: このモデルでは、顧客に請求期間ごとに一定数量の単位が提供され、それを超えた分は超過単価に基づいて課金されます。
- 最低コミットメント: このモデルでは、顧客が利用量にかかわらず、各請求書ごとにコミットした金額が請求されます。
- ハイブリッド消費型: サブスクリプション型と従量課金型の両方を組み合わせて、単一のサービスで提供するアプローチです。
関連リソース
コンサンプション(従量課金)モデルがビジネスの成功に貢献する方法
従量課金型価格モデルを導入・拡大するための実証済みの戦略とツールをご紹介します。当社の調査によれば、ハイブリッドモデルを活用しているSaaS企業は、継続的な成長において他のすべてのビジネスを凌駕しています。
コンサンプション(従量課金)モデルをどのように導入すべきか?
従量課金制のメリットや、貴社に最適なモデルやその組み合わせの選び方が分かったところで、次は「いかに迅速に従量課金価格を導入するか」、そして「どのような機能が必要か」についてご案内します。
コンサンプション(従量課金)モデルを成功に導くために必要な主要な4つの機能は以下の通りです。
1. 開発者の手を介さず価格設定ができること
- ノーコード価格設定ツール:豊富な開発リソースを必要とせずに、価格モデルの変更や価格ポイントの調整が可能。
- 自動価格更新:価格の変更が、アプリ内課金やeコマースプラットフォーム、CPQシステムなど全システムに反映されることを保証。
- データに基づくバリューメトリクス:すべての製品に対して収益化できるメーターを迅速に追跡・定義可能。
2. 多様な価格戦略で実験できること
- モデルの組み合わせを試す:ボリューム、階層型、マルチアトリビュート、従量課金(使った分だけ支払い)など、さまざまな顧客ニーズに対応できるオプションを含める。
- プリペイドクレジットとチャージ:顧客が予算管理しやすいよう、前払いでクレジットを購入し、必要に応じて利用できる仕組みを提供。
- 割引・トライアル:新規ユーザー獲得や利用促進のためのプロモーション価格や無料トライアルを導入。
3. 利用データの収集・測定・追跡
- 自動メディエーション:利用データの集約・処理を効率的に管理し、さまざまなソースからのデータを正規化し、請求に正確に反映できるようにする。
- スケーラビリティと統合性:利用データを請求システムとシームレスに統合し、大量データもパフォーマンスを維持しつつ対応可能。
- 動的データ統合:複数ソースから利用データをストリーミングし、自動でデータの拡充・集約・重複排除を行う。
4. 成長のための分析と最適化
- リアルタイム分析:利用パターンを継続的にモニタリング・分析し、顧客行動を把握してサービス内容を柔軟に調整。
- コスト・収益追跡:各価格プランごとにコストと収益を比較し、最も収益性の高い戦略を特定。
- 実験:同じ利用データに異なる価格プランを適用し、収益最大化や顧客満足度向上につながるものを見出す。
- 部門横断的な導入:営業や収益会計チームなど、複数のステークホルダーと連携・計画し、全社で新たな価格設定を円滑に展開。
利用メディエーションとは何ですか?
利用メディエーションは、すべての利用イベントに内在する情報を最大限に引き出すために、顧客の利用データを統合・計測・追跡する役割を果たします。顧客が実際にどのように製品やサービスを利用しているかについて、正確かつタイムリーなデータを得ることは、従量課金価格や請求戦略を最適化するうえで不可欠です。
従量課金制の導入を始めたばかりの多くの企業は、価格プランの選定・実装(レーティング)から着手しがちです。しかし、価格設定やパッケージングを最適化する前に、まず顧客やその消費パターンを包括的に理解することが重要です。これは、メディエーションを通じて顧客の利用データを収集・計測することで実現できます。
カスタマイズされたソリューションやアドオンで請求システムに利用データの取り込みや計測機能を追加することも可能ですが、多くの企業にとって最も効率的かつコスト効果の高い選択肢は、すべての利用データ要件に対応し、既存の請求・収益認識システムと統合できる専用のメディエーションエンジンです。
メディエーションエンジンとは何ですか?
家庭の電力量計(メーター)が電力使用量を測定し、請求可能なキロワット時(kWh)に変換するのと同様に、メディエーションエンジンはあらかじめ定義された利用価値指標ごとに利用状況を測定・計量します。貴社にとっての利用価値指標は、kWhの代わりにストレージ容量(GB)や通話時間(分)などになる場合がありますが、基本的な考え方は同じです。
しかし、利用データやメディエーションのプロセスは、それ以上の幅広い用途で活用できますし、活用すべきです。従量課金戦略を用いて継続的な成長を実現するには、クロスセルやアップセルの機会、コスト削減施策など、実際に活用できるインサイトを抽出できることが重要です。顧客がいつ、どこで、なぜ、どのように製品を利用しているのかをより深く理解できれば、オファリングや価格設定、製品自体を最適化することが可能になります。
従量課金制を導入している多くの企業は、どのようなメディエーションソリューションを選択すべきか分からない、あるいはその必要性自体にまだ気づいていないことがよくあります。R&D部門やIT部門が独自のメディエーションツールなど、カスタムソリューションの構築・保守を担わされるケースも多く見受けられます。
また、アドオン製品やETL(Extract, Transform, Load)ツールを選択する場合もありますが、最終的にはこれらのソリューションが多大な開発リソースを必要とし、コスト増加につながることが判明する企業が少なくありません。
一方、メディエーションエンジンであれば、利用データの収集・変換・計測・追跡に必要なすべてのツールを提供します。プロダクトマネージャーに対しても、純粋な従量課金制からハイブリッドコンサンプション(従量課金)モデルまで、リアルタイムで柔軟に価格戦略を転換できる可視性をもたらします。
従量課金制価格戦略の一環として、メディエーションエンジンは、顧客が必要なタイミングで必要な分だけ消費できる柔軟性と、自身の利用状況や料金を常に把握できる透明性の両方を実現するための基盤となります。
利用データの取り込みと保存
メディエーションを開始するには、すべての関連ソースから利用データを収集する必要があります。これには、ユーザーの操作データ、システムログ、センサー情報、その他のソースが含まれる場合があります。
メディエーションソリューションがない場合、貴社のITチームが製品から発生するすべての利用データの管理、ルーティング、クレンジングを担うことになります。数千件におよぶイベントをデータウェアハウスに集約した後、データを分析・変換し、活用できる状態にしなければなりません。
メディエーションエンジンを活用すれば、APIやバッチアップロードを通じて、複数のソースからほぼリアルタイムで利用データを自動的にストリーミングできます。利用イベントを大量(最大約20万件)に処理できるソリューションを選ぶことで、ピーク時の需要にも対応できます。
さらに、集約・保存のために専用のメディエーションエンジンを利用することで、利用データの管理性・アクセス性・セキュリティが大幅に向上します。加えて、別途データウェアハウスを用意する必要がなくなるため、不要なストレージコストの削減にもつながります。
利用データのメータリング
利用データを集約・変換した後は、「メータリング」と呼ばれるプロセスで計測を行う必要があります。そのためには、顧客データを分析し、貴社の製品やサービスにとって適切な指標を決定することが必要です。これらは、顧客への課金に利用するパラメータや属性となります。コンサンプション(従量課金)モデルを採用する場合、特に重要な利用価値指標を特定し、計測することが求められます。
これらの主要指標は、単に自社で追跡可能な利用属性であるだけでなく、顧客価値との整合性を持ち、将来的な成長の余地を残し、顧客と事業双方にとって予測可能性をもたらす必要があります。調査によれば、利用量と定期収益の双方に基づく指標を持ったハイブリッドコンサンプション(従量課金)モデルを採用している企業は、年間経常収益(ARR)の前年比成長率において他の企業を大きく上回っています。
既にETLツールを導入している企業では、それを利用してメータリングを行うケースもありますが、ETLツールはバッチ処理しか対応できないため、開発者によるカスタマイズや保守が不可欠です。新たなオファリングの追加時には、メータリング要件が市場投入までの時間を遅らせる要因にもなり得ます。
収益認識にも影響が及びます。適切なメータリングや利用データの計測が行われていなかったり、会計部門で即時活用できるデータ形式になっていない場合、収益認識プロセスが遅延し、事業の成長に悪影響を及ぼします。
メディエーションエンジンは、メータリングや主要指標の特定にどのように役立ちますか?
メディエーションエンジンは、顧客の利用に関連するデータの収集・集約・分析・モニタリングを支援します。このデータドリブンなアプローチにより、価格モデルに最も適した指標を判断できるため、顧客の行動や価値に合わせた価格設定を実現できます。
価格設定を決定するための属性が多いほど、顧客に最適なオファリングを構築することが可能になります。ドラッグ&ドロップ機能を備えたソリューションを選択すれば、最適な指標の組み合わせも迅速かつ容易に設定できます。
コンサンプション(従量課金)モデルの価格設定とパッケージング
コンサンプション(従量課金)モデルは、価格設定とパッケージングの両面から構築されています。価格設定は価格ポイントや価格モデルを指し、パッケージングは機能をどのように組み合わせて提供するかを意味します。これらを組み合わせることで、顧客が期待する価値と柔軟性、そして企業にとって必要な予測可能性や戦略性を実現できます。
ここでは、価格設定とパッケージングの両面についてさらに深掘りし、コンサンプション(従量課金)モデルの基盤となる仕組みを理解していきます。
明確な価格戦略は必須要件
従量課金制の価格設定は、純粋な消費型ビジネスモデルの中核となる要素です。提供者は、顧客がどれだけ製品を利用したかを測定できなければ、効果的な請求を行うことができません。この考え方は「バリューメトリクス」「単位」「価格設定の基準」などと呼ばれることがあります。
バリューメトリクスとは、企業が追跡可能で、顧客価値と整合し、成長の余地があり、顧客・企業双方に予測可能性をもたらす利用属性のことです。一般的な指標としては、ユーザー数、消費データ量、イベント数など、価値ベース・測定可能・コントロール可能なものが挙げられます。
バリューメトリクスを選定した後は、利用単位ごとの価格(レーティングロジック)を決定します。これは、利用1回ごとの定額料金(例:APIコール)から、コンピュートとストレージの組み合わせのような多次元アルゴリズムまで、シンプルなものから複雑なものまで幅広く設定可能です。
もう一つ重要な価格設定要素が「タイミング」です。すなわち、顧客が製品利用に対していつ支払いを約束するかという点です。最も成功している企業の多くは、総収益のうちコンサンプション(従量課金)モデルが占める割合が25%未満にとどまっています。こうした企業は、まずバリューメトリクスを基準に価格設定を行い、リスクの低い従量課金型(Pay-as-you-go)と予測性の高い前払いモデルを組み合わせて継続的な成長を実現しています。
一般的な従量課金価格モデルにはどのようなものがありますか?
従量課金価格には、すべてに当てはまる「万能モデル」は存在しません。当社データが示す通り、成長を最大化するには、全体的な従量課金型ビジネスモデルの中で最適な従量課金比率を見極める必要があります。継続的な収益成長を実現するためには、複数のモデルを組み合わせたハイブリッドコンサンプション(従量課金)モデルの導入を検討してください。
ここでは最も一般的な価格モデルをご紹介します。
単位ごと(従量課金型/Pay-as-you-go)
純粋なコンサンプション(従量課金)モデルで、顧客は利用した分だけ支払います。ニーズが予測しにくい顧客には有力な選択肢であり、利用量の急増やそれに伴うコストにも柔軟に対応できます。顧客が必要な分だけ消費できる最大の柔軟性を提供します。Chariotのような乗車ごとのサービスや、Amazon Web ServicesのAPIごと課金が好例です。
ボリューム型
購入ボリュームに応じて価格を設定するモデルです。SaaSのAPIコールなど、特定のユースケースで特に有効です。例えば1〜1,000回のAPIコールは1回あたり$0.10、1,001〜10,000回は1回あたり$0.15など。単価が下がることで、顧客の利用促進を図れます。
階層型(ティア型/ステップ価格)
利用ボリュームが増加するに従い、段階的に価格が変わるモデルです。ボリューム型に似ていますが、階層ごとに異なる単価が適用され、各階層の消費単位ごとに価格が異なります。
超過課金型
一定量の利用単位(例:通話の月間分数など)が含まれており、それを超過した分は超過分の単価で課金されます。
階層型+超過課金
階層型課金モデルに加え、最上位階層を超えた利用分に超過料金が発生するモデルです。
マルチアトリビュート型
複数の指標による課金モデルです。例えばZipcarの場合、時間帯、車種、曜日など複数の属性を組み合わせて課金します。
プリペイド型(前払い消化)
一定量の単位を前払いし、利用の都度消化していくモデルです。顧客はあらかじめ金額を決めて利用でき、企業側は収益予測性を確保できます。
最低コミットメント型
顧客がコミットした利用量に対して請求するモデルです。たとえ実際の利用がコミット量に満たなくても、コミットレベルでの請求が発生し、企業側は収益予測性を維持できます。
ハイブリッド消費型
最近では、予測可能なサブスクリプションモデルと変動性の高いコンサンプション(従量課金)モデルを組み合わせたハイブリッドコンサンプション(従量課金)モデルが、継続的な収益成長の推進役として注目されています。
SaaS業界では、これらの価格設定・パッケージング戦略の最適化が進行中ですが、コンサンプション(従量課金)モデル導入していないモデルと比べても良好な結果が出つつあります。
純粋な従量課金収益は予測が難しく変動性も高いですが、ハイブリッドコンサンプション(従量課金)モデルは特にクラウドサービスや生成AIをはじめとするSaaSに適している場合が多いです。これらのハイブリッド型・機動的なモデルは、予測可能性を維持しつつ、価格や支払いを実際の利用・需要により密接に連動させることで顧客価値も向上します。
実験におけるベストプラクティス
価格設定やパッケージングの実験は、多くの企業が従量課金型価格設定をより効果的に行う上で役立っています。継続的な微調整がどのようなものか、一例をご紹介します。
- 頻繁な実験: 「昨年これをやったから」という固定観念を捨て、できるだけ頻繁にイテレーションを重ねる姿勢を持ちましょう。
- テストの実施: スプリットテスト(A/Bテストとも呼ばれます)で複数バージョンを用意し、コンバージョン率などの指標で評価しながらデータから学びましょう。
- モデルバリエーションの試行: まずはシンプルな従量課金から始め、徐々に階層型などより複雑なモデルへと発展させていきましょう。
- 具体的な戦術の活用: 貴社のバリュー実現の段階に応じて、戦略的かつ具体的な実験を計画しましょう。
- 顧客視点の重視: カスタマーサポートや請求担当部門から寄せられる、オファーの価値に関する顧客の声に耳を傾けましょう。
Create a culture of experimentation
The industry conversation around pricing and packaging has recently added an important consideration: experimentation. While everyone would love to say they have great pricing, the reality is businesses are always tinkering, thinking, “What can I do here? What can I do there? Are my customers really receiving value? Am I capitalizing on that value? Do they feel good about paying for the value they receive? When is the last time we’ve tinkered with pricing? How does that compare to our competitors?”
These questions are great starting points for building experiments around pricing and packaging to discover combinations and approaches that make sense for both your customers and your business.
You also need executive buy-in when it comes to technology that supports rapid experimentation with mix-and-match pricing and packaging, as well as leadership that encourages cross-functional collaboration between teams.
Surfacing offers is one example of pricing and packaging experimentation. Historically, it’s been focused in the media space — like going to a newspaper’s website for their premium articles and then hitting a paywall after a certain number of visits. But these strategies also exist for SaaS businesses, such as a free product trial that the company then attempts to convert into a paid subscription or an upleveled service.
Dynamically surfacing offers is just one method of pricing and packaging experimentation that can lead to increased revenue and improved customer service.
経理・財務の視点で見る従量課金
コンサンプション(従量課金)モデルは特定のサービスに非常に適していますが、「万能の解決策」ではありません。そして、多くの顧客も同様にそのように捉えています。初めてコンサンプション(従量課金)モデルの導入を検討する場合は、慎重なアプローチが重要です。
CFOは、従量課金価格の多面的な性質を理解したうえで、自社に最適かどうか、また最適である場合には、どのような戦略・コミュニケーション・組織的合意が成功に必要かを見極める必要があります。
そこで、従量課金導入を検討する際にチェックすべき主な質問をまとめたチェックリストをご用意しました。これらの質問は、従量課金が貴社に適しているかどうか、そして成功裏に運用するために何を知っておくべきかを判断する助けとなります。
どのような顧客データを保有しており、それを活用して顧客の利用状況を予測できますか?
従量課金価格の基盤は顧客の利用データです。完全かつ正確、そしてタイムリーな利用データが必要であり、そのデータが信頼性・監査性・証拠性のある形でレーティングや請求に用いられることが求められます。不明確な利用内容が含まれた高額請求書は、請求業務、サポート、営業部門の多くの時間を一気に消費してしまうことになります。
正確な予測を支えるためにも、クリーンなデータが重要です。コンサンプション(従量課金)モデルはその性質上、従来のサブスクリプションモデルよりも予測が難しくなりますが、その分、正確な予測の重要性も高まります。
例えば、SaaSライセンスを年間契約で提供している場合、顧客の利用量にかかわらず1年間の収益を見込むことができます。一方で、コンサンプション(従量課金)モデルでは、収益が毎月、毎日、さらには毎分単位で変動する可能性があります。
コンサンプション(従量課金)モデルを管掌するCFOにとって、利用パターンを把握し正確な予測を行うことは最優先事項となります。
クリーンな利用データがなければ、コンサンプション(従量課金)モデルのすべてが格段に困難になります。APIコール、送信メール数、アプリケーション内のタスク数、ファイルのアップロード数、ログイン回数など、顧客利用データの把握とインサイトの抽出は、従量課金導入を検討するCFOが最初に注力すべき領域です。
また、従量課金の予測は、収益認識においても独自の課題をもたらします。例えば、FP&Aや営業オペレーション部門が、ASC606が求める収益処理を考慮せずに独自の利用予測を行ってしまうと、事業全体の予測値に大きな乖離が生じることがあります。
ヒント
データを最大限に活用する
アナリティクスチームと連携し、利用データを統合・分析してトレンドを把握し、利用価値指標の選定に役立てましょう。すべての利用データ管理ニーズをカバーし、既存の請求・収益認識システムと連携できる専用メディエーションエンジンの導入も検討してください。
利用予測の精度を高めるためには、CFOが組織内の部門横断的な協働や新規ユースケースに対する事業方針の整合を促進することが重要です。
貴社のテクノロジーは、複数のモデルに対応し、変化する顧客ニーズに十分柔軟に対応できますか?
コンサンプション(従量課金)モデルは、プロダクト主導成長の観点で特に効果を発揮します。純粋な「使った分だけ支払い」モデルは顧客にとってリスクを低減し、製品を気軽に試してもらえるため、顧客獲得率の向上や獲得コストの低減にもつながります。
理想的には、顧客の利用が進み、コストが顧客事業にとって無視できない水準に達するタイミングが訪れます。この消費ライフサイクルの段階では、リアルタイム計測・レーティングによる通知と、より予測可能な契約条件や価格モデルの提供という2つの要素が極めて重要になります。
リアルタイムのメータリングとレーティング
従量課金価格を長期的に運用するには、リアルタイムで利用量をレーティングし、しきい値通知を提供できるシステムが不可欠です。顧客が予想外の高額請求に驚かされることほど、悪い顧客体験はありません。
顧客に可能な限りリアルタイムでコストの透明性を提供することは常に不可欠です。優れた企業は、セルフサービスポータルの提供、しきい値通知の自動発信、現場チームへのデータツール支給など、複数の側面からこの課題に取り組んでいます。
カスタマイズやアドオンのソリューションで請求システムにデータ取り込みやメータリング、レーティング機能を追加することも可能ですが、多くの企業にとって最も効率的かつコスト効果の高い方法は、すべての利用データ要件に対応し、既存の請求・収益認識システムと連携できる専用メディエーションエンジンの導入です。
予測可能性の付加
CIOが最も嫌がるのは、CFOを驚かせることです。Pay-as-you-goモデルは新製品への顧客誘導には有効ですが、より予測可能な契約条件や価格モデルを提供できなければ、競合他社に顧客を奪われる可能性があります。
従って、純粋なコンサンプション(従量課金)モデルは新規獲得には有効ですが、リカーリング型や前払いモデルを組み合わせたハイブリッド型オファリングを導入することで、顧客維持率の向上や、より予測可能で双方にメリットのある契約形態の実現につながります。
従量課金収益の適切かつコンプライアンスに準拠した経理・財務報告体制は整っていますか?
収益認識に関する議論は、ビジネスが従量課金価格を採用すると決めた時点で開始すべきです。コンサンプション(従量課金)モデルでは、定額料金のほか、ボリュームや階層型の割引、国や時間帯、その他多数の変数に応じて複数の単位で課金する場合もあります。こうした多様な組み合わせにより、同じサービスでも複数の価格体系が生まれる可能性があります。
導入する課金モデルは、顧客との財務的な関係を規定し、その関係を正確かつコンプライアンスに即して報告する責任が生じます。特にASC 606では、従量課金価格の運用が難しくなる場合があります。コンサンプション(従量課金)モデルでは、請求期間末に利用量を集計するだけでなく、任意の時点で顧客の利用状況をモニタリングできる詳細かつリアルタイムな可視性が求められます。
コンサンプション(従量課金)モデルを導入する場合でも、リカーリング要素を加える必要があります。これには、純粋な前払いモデル、クレジットシステム、あるいはストレージ使用量(GB)など利用指標に直接連動したシステムなどが考えられます。この段階で、顧客が前払い分を使い切らなかった場合の対応や、その差異がサブスクライバー体験にどう影響するかも検討することが重要です。
たとえば顧客が契約に基づき前払いした場合、企業として債務が発生し、契約履行責任が生じます。顧客は前払い分をいつ利用するかを決定でき、それに応じてサービスを提供し、会計上も報告義務が発生します。
顧客ごとに消化ペースが異なるため、獲得収益と繰延収益の追跡・報告にはさらなる複雑性が加わります。
これは、利用可能性に基づく前払いモデルとは異なります。たとえば、SaaSサブスクリプション企業は、1席分を1年間分まとめて請求し、毎月回収する場合がありますが、顧客がその席をいつ・どのように利用しても、サービスの利用可能性を提供する義務だけが発生し、収益には影響しません。
しかし従量課金の場合は、サービス提供のためだけでなく、収益の追跡のためにも利用状況の把握が不可欠となります。
ヒント
手作業とリスクを減らすため自動化を強化
事業部門と連携し、成長を促進する最適な従量課金方程式を見つけるとともに、ASC 606に準拠した収益認識ルールを守りましょう。
リアルタイム分析やクローズプロセスダッシュボードを備えたソリューションを導入することで、当月のオープン期間における経理・財務データのハイレベルな把握、データ問題の特定、収益エラーの軽減、月中での調整によるリアルタイムなGAAP収益報告が可能となります。
従量課金価格は貴社のGo-to-Market戦略にどのような影響を与えますか?
従量課金価格を導入する場合、単に顧客を獲得するだけでなく、顧客に製品を実際に利用してもらうことを重視した営業モデルが必要となります。
従来型の営業では、製品納品と同時に営業担当の役割は終了します。サブスクリプションモデルでは、営業は契約締結後、1~2年後の更新時期まで表舞台から離れます。
一方、従量課金価格を導入する場合は、顧客が自社ウェブサイトで製品を試用できるセルフサービスタイプの提供など、顧客主体での利用を促進する営業モデルが求められます。
こうした環境下では、営業担当は顧客の利用拡大を支援するため、カスタマージャーニー全体を通して継続的に関与する必要があります。
多くの企業では、営業担当が前払いの大型契約を獲得するだけでなく、顧客の利用実績に応じた報酬体系へとインセンティブプランを見直しています。営業担当が顧客の利用実績を確認し、購入分をすべて使い切った場合にのみフルコミッションを得られる仕組みです。
このようなGo-to-Market戦略の変化は、AE(アカウントエグゼクティブ)とSE(セールスエンジニア)の比率や、営業を支える他のテクニカルロール、パートナーとの連携方法にも影響を与えます。
多くの企業は、プロダクト主導成長の立ち上げに注力する専任チームから従量課金の取り組みを開始します。製品のセルフサービス化や、どのコンサンプション(従量課金)モデルが顧客をテスト利用に導けるかを模索します。
そして、プロダクト主導成長にシフトし、一定の成果が得られた後は、顧客に前払い型リカーリング契約へのコミットメントを促す第2段階へと進みます。
今すぐ従量課金導入の計画を始めましょう
貴社ではまだ従量課金の導入を検討していないかもしれませんが、想像以上に早く必要となる可能性があります。ますます多くの企業が、複数の価格モデルの中に何らかの従量課金要素を取り入れるようになっています。
しかし、従量課金価格戦略には独自の課題も伴います。収益会計担当者の4分の3以上(76%)が、新たなGo-to-Marketモデルや製品、価格設定への対応プレッシャーの高まりを実感しています。従量課金導入は、収益認識の複雑性やチームへの負担をさらに増大させることになります。
収益会計チームは、新たな価格モデル導入の成否において、収益認識システムとプロセスが果たす重要な役割を事業部門に理解させるうえで、独自の立場にあります。この点については、次のセクションで詳しく解説します。
従来のバックオフィス業務から、フロントからバックエンドまでを俯瞰する包括的な視点へとシフトすることで、収益会計リーダーは、ステークホルダーに対し意思決定の下流への影響や、それが上流にどうフィードバックされるかを正しく認識させることができます。
収益リーダーはまた、価格設定構造を最適化し、収益予測性を高めつつ業務負担を軽減する方法について助言することも可能です。後述の通り、最も成功している従量課金ビジネスは、複数の価格モデルと一定レベルのコミットメントを組み合わせ、顧客の柔軟性と企業の予測可能性のバランスを図っています。
ただし、収益会計部門は営業部門側で適切なプロセスが整備され、顧客が最初から適切なベースプランを購入できるようになっていることも確認する必要があります。そうでなければ、収益チームが契約価値(ベースバリュー+想定利用分)の見積もりと定期的な見直しを求められることになります。
既存のビジネスユースケースを活用した利用収益の予測
利用予測により、収益チームは従量課金価格モデルによる収益がどれだけ得られるかを見積もることができます。これは、利用量、顧客生涯価値(CLV)、潜在的な超過料金などの変数を予測することを意味します。異なるバンドルやオファーを導入し始めると、さらに複雑さが増します。
コンサンプション(従量課金)モデルの魅力の一つは、顧客が製品やサービスの利用量、ひいては請求額を柔軟に変えられる点ですが、その反面、収益の予測性や見通しが不安定になる場合があります。
多くの場合、利用予測に特有の課題や落とし穴は、会計部門が利用収益を認識する段階になって初めて顕在化します。たとえば、FP&Aや営業オペレーション部門が、利用データや契約に必要なGAAP準拠の複雑な収益会計ポリシーを考慮せずに独自の利用予測を作成してしまうと、OTCプロセス全体で大きな予測乖離が生じ、煩雑な照合作業が必要になることもあります。
これを回避するためにも、収益会計部門は組織内の部門横断的な連携や、新たなユースケースに対する事業方針の整合を促進すべきです。上流データの複数の側面を迅速に把握・分析できるテクノロジーを選定し、課題を迅速に特定・解決しましょう。さらに、リアルタイムの照合やクローズプロセスダッシュボードを活用することで、収益予測の可視性と精度を高めることができます。
Push for data capture and analysis alignment across teams
Real-time usage data visibility and analytics are vital for revenue forecasting. Unfortunately, attaining cross-functional alignment for usage data processing and flow across the organization can be extremely challenging. Multiple stakeholders within the business—including IT, sales, billing, accounting, and other teams—must be aligned on how data will be captured, metered, and stored.
Working together with the appropriate stakeholders, revenue accounting teams can help drive company-wide initiatives to eliminate unnecessary data silos and implement system integrations. Creating a process map upfront can help identify all potential error points in the flow of data from provisioning through billing, revenue recognition, forecasting, commissions, and other cost calculations.
Companies performing manual usage revenue recognition will quickly realize the added risks and costs associated with this complicated process. Look for technology that can handle your usage data and automate processes at every step, from capture through to revenue recognition.
収益認識のコンプライアンスと関連コストを維持する
すべての収益会計チームはASC 606やIFRS15に精通していますが、経営層はこれらの基準が従量課金型価格モデルに与える影響について十分に考慮していない場合があります。
従量課金契約自体は比較的シンプルですが、競争力維持や顧客ロイヤルティ向上のためには、割引やバンドルを導入し始める必要が出てきます。さらに、予測可能性向上のために、一定レベルの顧客コミットメントを導入するケースも増えています。
収益チームは、これらのプロセスをスプレッドシートで開始し、Excelに手作業で利用データを入力することが多いですが、手作業やデータのサイロ化は業務負荷・エラー・クローズまでの時間を増大させます。
加えて、正確なレポートや予測の作成、新規契約や変更への対応も極めて困難になります。多くの企業が人員増で対応しようとしますが、コスト増を招くだけで根本的なプロセス課題は解決しません。複雑な従量課金収益認識を処理できるシステムがなければ、収益会計チームは数千行にも及ぶスプレッドシート上でデータ加工を強いられることになります。
データの手動抽出・加工や、月末の締め作業のために深夜まで残業することが常態化すると、人為的ミスのリスクが高まり、結果的にプロセス障害が発生します。実際、収益会計担当者の65%が、既存の手作業プロセスや統制リスクによる誤記載リスクを懸念しています。
手作業による利用収益認識と監査人による審査の強化は、監査対応に多大な時間とコストを要する要因となります。監査人が数千行の利用データを精査せざるを得なくなるからです。IPOを目指す企業の場合、監査過程での問題発覚が上場延期につながるリスクもあります。
収益自動化は、人手を介さないデータ管理によりエラー・リスク・監査コストを削減します。The New York Timesのような企業は、何百万もの顧客の利用データを管理するために収益自動化の力を活用しています。契約変更や新オファーの展開まで、あらゆるコンサンプション(従量課金)モデルの運用をスケールに応じて自動化できるシステムが求められます。
収益認識を自動化し、プロセスを効率化する
従量課金におけるデータ管理には、データの追跡、利用量の計測、過去の収益傾向の分析など、複数のツールが必要となる場合があります。
ERPによるある程度の自動化だけでは十分でないケースも多く、従来のシステムは従量課金を前提に設計されていません。ERPソリューションは依然として一時的なプロダクト料金の処理を基盤としているため、コンサンプション(従量課金)モデルへの完全対応には多大なカスタマイズが必要です。カスタマイズを行っても、収益会計担当者の60%がERP収益モジュールが自社のビジネス要件を完全には満たしていないと回答しています。
また、コンサンプション(従量課金)モデルには、請求期間末の利用量集計だけでなく、任意のタイミングで顧客利用をモニタリングできる詳細かつリアルタイムな可視性が求められます。ERP改修に費やす時間やコストが、新たなビジネスモデルの推進を妨げることもあります。
自動化が不足している現状は、既に収益会計チームの大きな負担となっており、68%がビジネスの拡大ニーズに対応するための適切なテクノロジーがないと回答しています。必要なテクノロジーがないまま新たなコンサンプション(従量課金)モデルを導入すれば、こうした課題はさらに深刻化します。
自動化された連携で収益データを一元化することで、手作業で更新・連携が必要なスプレッドシートの乱立を解消できます。時間のかかる低付加価値な手作業を大幅に削減することで、決算業務の効率化やコスト削減、戦略的タスクへのシフトが実現します。多くのチームが、決算までの期間短縮や残業削減、より高度な業務へのリソース集中といった効果を実感しています。
特に従量課金を導入する企業では、ERPによる収益認識管理から脱却し、専門的な収益サブレジャーソリューションを選択するケースが増えています。これらは収益サブレジャーとして機能し、データを直接ERPの総勘定元帳に連携できます。
こうしたポイントソリューションの利点は、SSP分析、契約変更、収益分析など、従量課金収益会計に不可欠な機能を高額・複雑なカスタマイズなしでネイティブに提供できる点です。
経営層の理解と合意を得る
収益会計担当者の79%がより高度な自動化の必要性を認識している一方で、67%がこれら新ソリューションの導入にあたり経営層の合意を得るのに苦労していると回答しています。
CFOをはじめとする経理・財務責任者が多様な役割を担っている現状を踏まえれば、特にコンサンプション(従量課金)モデルに関する収益プロセスの細部まで十分に把握できていない場合があるのも不思議ではありません。現行プロセス・リスク・新たなGo-to-Market戦略導入の影響について経営層の理解を深めることで、自動化のビジネスケースを明確にできます。また、ファイナンス責任者にエンドツーエンド収益自動化のメリットや、何もしなかった場合のコストを教育することも、収益リーダーの説得材料となります。
基本的なコンサンプション(従量課金)モデルを超えて拡張する
従来の従量課金型価格戦略(Pay-as-you-goや超過課金など)は、顧客に求められる柔軟性を提供するうえで優れていますが、必ずしも企業側で効果的に活用されているとは限りません。現実には、こうしたコンサンプション(従量課金)モデルのみを単独で運用すると、サブスクリプション企業が慣れ親しんできた収益予測性が損なわれるリスクがあります。
Subscribed InstituteとBoston Consulting Group(BCG)の調査によれば、後払い型と前払い型を組み合わせたハイブリッドコンサンプション(従量課金)モデルを活用している企業は、年間経常収益(ARR)の前年比成長率において、他のビジネスを大きく上回っています。
要するに、こうした企業はシンプルな従量課金制と、その他のリカーリング課金モデルを組み合わせることで、顧客コミットメントの向上、予測精度の強化、リカーリング収益源の追加という成長ポテンシャルを引き出しています。実際には、従来型のPay-as-you-goモデルに、前払いと超過課金を組み合わせたものが例として挙げられます。
あらゆる角度から従量課金を考察する
従量課金価格の導入は、独自のメリットと課題をもたらします。本章では、これらのモデルの詳細を掘り下げ、長所と短所を明らかにするとともに、実践的なソリューションもご紹介します。
コンサンプション(従量課金)モデルの利点は何ですか?
従来以上に多くの消費者や企業が従量課金制による価格設定・請求を経験しており、そのニーズは高まり続けています。実際、過去3年間でハイブリッドコンサンプション(従量課金)モデル導入が大幅に増加しています。
ここでは、従量課金型価格モデルを導入する主な利点をいくつかご紹介します。
顧客中心のアプローチ
コンサンプション(従量課金)モデルは、定額制やパッケージ料金を一方的に押し付けるのではなく、顧客のニーズや利用実態に直接連動した価値を提供することに注力しています。利用データから顧客の行動や嗜好を把握できるため、各顧客のニーズに合わせたアップグレードや追加サービスを提案しやすくなり、提供価値の向上や市場における差別化が可能となります。
この価格モデルは、スタートアップから大企業まで幅広い顧客層に対応でき、利用規模に応じたプランを柔軟に提供できます。
差別化されたバリュープロポジション
適切なバリューメトリクスを設定し、従量課金の比率を最適化することで、競合との差別化や強力なバリュープロポジションの構築が可能になります。また、コンサンプション(従量課金)モデルは市場や顧客ニーズの変化に迅速に対応でき、価格戦略の大幅な見直しを必要としません。
最近のSubscribed Instituteの調査でも、コンサンプション(従量課金)モデルを採用するSaaS企業が、非従量課金企業に比べて長期的な収益成長で優位を維持していることが示されています。
柔軟かつスケーラブルな成長
参入障壁が低いため、顧客は小規模から利用を始め、製品の有用性を実感した上で、最適なタイミングでより充実したパッケージへの切り替えを検討できます。顧客ニーズが高まれば、企業側も柔軟にリソースを増強し、より高い消費需要に対応できます。
可視性とコントロール
顧客はリアルタイムの利用状況の可視化を重視しており、日々の進捗確認や超過予測、請求内容の把握が可能です。適切なテクノロジーを導入すれば、しきい値通知の自動配信や利用・支出の自己管理も容易となり、顧客満足度の向上につながります。
利用予測機能を活用すれば、高利用顧客の行動を分析し、拡大の機会を早期に把握することも可能です。
予測可能な収益源
コンサンプション(従量課金)モデルは一般的に実利用に基づく変動コストが発生しますが、顧客の支出習慣にあらかじめコミットメントを課すことで、予測可能性を付加できます。こうしたハイブリッドコンサンプション(従量課金)モデルは、企業規模を問わず年間経常収益(ARR)の成長率向上にも寄与します。
このアプローチは「コミットメント利用」や「前払い従量課金」と呼ばれ、AI・生成AI関連事業の新規参入企業においても、成長と収益性を両立するモデルとして急速に普及しています。
コンサンプション(従量課金)モデルの課題は何ですか?
従量課金型価格戦略の導入には、さまざまな課題も伴います。企業は価値提供とコスト回収のバランスを取りながら、十分なキャッシュを確保する必要があります。価格を高く設定しすぎると一部の顧客が離れ、低すぎると損失につながります。
従量課金制の導入には、潜在的なリスクや課題を十分に計画・考慮する必要があります。
予期せぬ超過請求やサービス停止
予想外の出来事は顧客体験を大きく損ないます。そのため、顧客はシンプルな従量課金請求を好まない傾向があります。必要な予測性が確保できず、利用量を把握できない場合があるためです。
解決策は透明性とメディエーションです。顧客は自らの消費パターンを常に把握できる必要があります。これが実現できれば、顧客体験が向上するだけでなく、成長の重要なレバーにもなります。
顧客の過剰コミットメント
コンサンプション(従量課金)モデルでは、顧客が過剰にコミットあるいは前払いしすぎる状況が生じる場合があります。事業者は、既に支払われた余剰クレジットや資金、利用単位の取り扱いをどうするか判断しなければなりません。
請求業務が大幅に複雑化
従量課金は通常、請求サイクル後に後払いで請求されます。これは、従来前払い請求が主流だった場合、請求チームの業務内容が大きく変わることを意味します。
この新しいプロセスでは、請求チームは正確な課金計算、請求書の適時発行、コンサンプション(従量課金)モデル以外の顧客への対応など、多様な業務を同時に管理する必要があります。そのため、正確な請求データを集めるために複数のシステムを使い分ける必要が生じることも珍しくありません。
請求オペレーションの役割拡大
従来のサブスクリプションモデルでは、顧客が契約にサインして請求書を支払えば、追加席数をめぐる争いは基本的に発生しません。条件や日割計算について異議が出ることはあっても、それ以上には発展しません。
一方、利用量に連動するコンサンプション(従量課金)モデルでは、請求ミスや不明瞭な計算をきっかけに、顧客体験の悪化やサポート対応の増加につながる多くのリスクがあります。Billing Opsは、取引支援や請求精度だけでなく、予測、通知、異議対応力の強化まで役割を拡張する必要があります。
収益認識・報告がモデルの成否を左右
ASC606やIFRS15のもとでは、会計チームが遵守すべき収益認識のルールがあります。複雑な従量課金収益認識に対応するシステムがなければ、手作業で数十万行に及ぶスプレッドシートの突き合わせが必要となり、運用負荷が急増します。
従量課金ビジネス成功のためのソフトウェアを探す
過去15年間、私たちは世界有数の優良企業とともに歩んできました。従量課金型価格設定ソフトウェアに関して、成功事例や陥りやすい落とし穴、市場に存在するギャップを数多く目の当たりにしてきました。
Zuoraの従量課金ソリューションは、包括的かつエンドツーエンドのアプローチを採用しています。Zuoraは、経理・財務部門には最適な請求・収益自動化ツールを、顧客には必要な分だけ利用できる透明性と柔軟性を、プロダクトオーナーには純粋な従量課金からハイブリッドモデルまで自在に切り替えられるメディエーション・メータリング・価格設定ツールを、それぞれ提供します。
従量課金型価格設定においてZuoraが「完全なソリューション」である理由について、ぜひこの先もご覧ください。
Accurately capture and meter usage
Your engineering team should be spending time on your product, not building usage metering.
Give your product teams the flexibility to meter whatever they want, without spending engineering cycles building, and re-building code for metering usage or getting pulled into every customer dispute.
Get real-time visibility, rating, and analytics
Surprises lead to terrible customer experiences. The nature of usage pricing means that customers might not realize how much they’re using.
The answer is transparency — customers need to stay apprised of their consumption patterns. And if you can do it right, it’s not only a better experience, but can be a key growth lever as well.
Price and bill for any usage model
Adding a new product? Or changing your pricing to a usage model? It’s a big move, and competitors will catch up if you move too slow.
Leading SaaS companies use Zuora to move fast and quickly add usage to the pricing mix to drive total monetization.
Out-of-the-box support for multiple models
Zuora Billing makes it easy to get started with usage right away:
- Choose from over 50 built-in pricing models, such pay-as-you-go, minimum commitment, or pre-paid with drawdown
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- Automatically update pricing across multiple systems (in-app, ecommerce, CPQ)
Maximize your usage revenue
Trends around monetizing generative AI and reducing adoption barriers have many companies turning to usage pricing models to drive growth. But to help ensure the successful company-wide roll out of a new usage-based pricing model, revenue accounting teams must be equipped with the right tools for success.
Continuously recognize usage revenue
Zuora Revenue makes it simple to:
- Quickly identify any discrepancies with automated reports
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- Keep new usage-based offers compliant with your revenue rules
- Make data-driven decisions by comparing revenue actuals and forecasted revenue against each other
次のステップへ進む
今後も従量課金型価格モデルは、あらゆる業界の企業にとって不可欠なツールであり続けるでしょう。このモデルは、スケーラビリティ、透明性、コスト効率の高いアプローチを提供し、事業者とユーザー双方にメリットをもたらすとともに、現代ビジネスのダイナミックな変化にも適合します。
従量課金の複雑性を乗り越えるためにも、トータルマネタイズ戦略を採用し、最適なソリューションを実装することで、イノベーションの推進、成長最大化、顧客関係の強化を実現しましょう。