サブスクリプションにおける会計の考え方

サブスクリプションビジネスにおけるチャーン

チャーン(解約)とは?

チャーンは一般的に、「一定期間内に特定のグループから離脱する個人の数」と定義されます。サブスクリプションビジネスでは、企業との既存の関係を終了することを選択した顧客数を表す財務指標です。 チャーンはサブスクリプションビジネスのパフォーマンスを把握するための重要な指標であり、カスタマーリテンションや収益に対する基礎的な評価を可能にするものです。どの企業も1年の中で多少のチャーンを経験しますが、一貫してチャーンレートが高いのは極めて危険な徴候です。もし、サブスクリプションビジネスが顧客を維持できなければ、収益目標を達成したり、長期的な成長に必要な資金を維持したりすることができなくなるでしょう。 もちろん、サブスクリプションビジネスで計測できるチャーンには複数の種類があり、これについては次の機会に説明します。 (注:ここからは、お客様がビジネス関係を意図的に終わらせる「自発的解約」を取り上げて説明します。一方、意図しない解約という、お客様が意図せずビジネス関係を終了するケースも起こりえます。これは通常、支払いの失敗や何らかのITエラーが原因ですが、お客様がビジネスの継続を希望している場合は簡単に解決できる場合が多いことが特徴です。そのため、今回はより深刻な事態である自発的解約とその削減方法に焦点を当てます。)

重要なチャーンの種類

​カスタマーチャーン(顧客数ベースの解約)とは、一定期間に何人のお客様がサブスクリプションを解約したかをする指標で、お客様から得ている収益は考慮しません。この指標は顧客維持率と対の指標とみなされていますが、リテンションレート(顧客維持率)とはチャーンを別の方法で表現しているに過ぎません。 (カスタマーチャーンでは、その期間に獲得した新規のお客様ではなく、サービスを継続することを決定した更新予定のお客様の数を測ることに注意してください。)
​レベニューチャーン(収益ベースの解約)は、ある一定期間の定期収益が維持されているかどうかを測るものです。これは顧客数に着目するものではありませんが、その他の指標(アップセル収益を評価する純収益チャーンレートや、その他の​価格戦略の検討材料​​ などに重要となります)。

チャーンをどのように分析するか

何を改善すべきかもわからずに、チャーンの低減に取り組むことはできません。まずは、チャーン分析を実施して、ビジネスの現状を把握しましょう。Zuoraでは、現状把握が最優先であると、すべてのサブスクリプションビジネス企業にアドバイスしています。顧客ロイヤルティに関する調査によると​​、顧客維持率が5%改善するだけで、利益は25〜95%も増加する可能性があります。 標準的なカスタマーチャーンレートの算出方法からまず説明します。手順は次のとおりです。 分析対象である任意の期間(毎月、四半期ごとなど)を選択します。​ ​チャーンしたサブスクライバー数を開始時のサブスクライバー総数で割ります。 合計に100をかけたものがチャーンレートです。たとえば、2021年全体の顧客数ベースのチャーンレートを計算するには、次の式を使用します。 [100 (2021年にチャーンした顧客数) / 2,500 (2021年年初の総顧客数)] X 100 カスタマーチャーンレート= 4%
さまざまな期間、顧客層、特定商品など、セグメントごとに複数のカスタマーチャーンの算出を行います。時間の経過とともに、これらの指標は長期解約パターンを明確にし、顧客行動についてより広範な予測を行うための土台となるでしょう。 レベニューチャーンレートの計算方法も大きく変わりません。 ​​レベニューチャーンレート(収益ベースの解約率)​​ =([一定期間] 中の解約により失った収益 / [一定期間] 中の契約更新による総収益) X 100 ​例:​​1月のレベニューチャーンレートを計算する場合、以下のようになります。 $5,000(1月の解約により失った総収益)/ $75,000(更新の総収益)X 100 レベニューチャーンレート = 6.6% こういった評価は通常、月または年単位で行われますが、サブスクリプションモデルに合わせて、各企業が評価期間を決める必要があります(たとえば、毎月課金されるサブスクリプションを主に販売している会社が年単位で評価を行ってもあまり意味はありません)。

どちらのチャーン指標を使用すべきか?

サブスクリプションモデルに応じて、これに対する回答は異なります。 すべての顧客がサブスクリプションに同じ金額を支払っている場合、両方の指標の計算結果は同じになります。このカテゴリーの企業は通常、カスタマーチャーンレート(顧客数ベースの解約率)を評価・分析するだけで、特別な対応をしないでいます。顧客を分類すると、事態はさらに複雑です。(最近のほとんどの企業がそうであるように)複数のサブスクリプションプランを提供している場合、チャーンの全貌を把握するには、両方の指標を計算する必要があります。レベニューチャーンレート(収益ベースの解約率)や顧客のサブスクリプション継続予想期間など、より詳細な報告を行い、指標を取り巻く状況を把握するために必要な財務データを得るには、これ以外に方法はありません。 どのような分析方法を採用する場合でも、一貫性が重要です。より長期的なチャーン予測と今後の展望​​の裏付けとなる過去の傾向を把握できるデータを収集してください。 もちろん、このような計算を行うには、手元に潤沢な顧客データがあることが前提条件です。そのため、営業部、IT部、マーケティング部が簡単にデータ分析を行うことができる、一元管理されたサブスクリプション管理プラットフォームが必要となります。手作業でこれを行うことも可能ですが、ほとんどの企業では、このような財務指標、評価メトリクスを収集、算出し続けるために、最終的にはサブスクリプション管理プラットフォームが必要となるでしょう。 Zuoraプラットフォームの詳細

チャーンのビジネスインパクト

ここまで、解約率の算出方法や解約率の種類をご紹介してきましたが、どの程度の解約率なら許容できるのか、また解約率が業績にどの程度の影響を与えるのかについては、どのように判断すれば良いでしょう? Zuoraでは、これを判断していくための3つの繰り返し実施するシンプルなステップで構成するフレームワークを作成しました。

顧客獲得率の比較

最初のステップは、新規顧客とチャーンする顧客の流れを把握することです。まず、チャーンレートと顧客獲得率(チャーンレートを測定している期間に契約した新規顧客の数)を、その期間の開始時の顧客数で割って比較することから始めます。 これにより、お客様の増加率と減少率を比較し、チャーンレートが他の目標の達成を妨げていないかどうかを、俯瞰的に判断することができます。

チャーンレートの推移

多くの企業は、最初の分析段階で新しい情報を大量に入手したとしても、何か問題が発生することを恐れて新しい料金体系にシフトするのを躊躇し、麻痺状態に陥ってしまいます。これは間違いです。 ここで大切なことは、新しいプライシングモデルを導入するにあたり、既存のお客様に対しては慎重になる必要がありますが、新規のお客様に対しては思い立ったが吉日だということです。新しいサブスクリプション従量課金モデルを新規のお客様が利用できるようになる時期から逆計算して、必要な作業を決めていきます。 新規と既存のお客様の両方で新しいプライシングモデルを​​試験的に​​導入することが不可欠です。​​製品カタログ​​で、新旧両方のプライシングモデルを提供すれば、試行錯誤しながら、最適なプライシングモデルを展開することができます。

Peer Rate 比較

最後のステップでは、業界のベンチマークと自社のチャーンレートを比較し、主要な競合他社の中での自社のポジションを見定めます。サブスクリプションビジネスを展開する企業がチャーンレートのベンチマークについて検討する際、他社と比較した自社のポジションの把握を急ぎ、すぐにこのステップに進みがちですが、経験上、このステップは自社の状況を把握した後に行うべきです。自社に関する基本的なデータがなければ、他社と比較しても意味がありません。 Zuoraでは、このテーマに関する専門的な調査を「 ​サブスクリプションエコノミー・インデックス調査​​」にまとめています。このレポートはサブスクリプショビジネスを展開する企業に無料で提供されるものですが、詳細を説明する前に、「サブスクリプションビジネスでチャーンを減らすための戦略」を知ることが目的であることを忘れないようにしましょう。

サブスクリプションビジネスでチャーンレートを低減するためには

これは極めて重要な問いです。サブスクリプションビジネスの黎明期には、企業(そのほぼすべては、有効的なチャーンを管理するプロセスを擁していませんでした)は、チャーン手続きを難しくすることでチャーンを防ごうとしていました。たとえば、チャーンにいくつもの手続きを必要にしたり、チャーンに関する情報をわかりにくくしたり、チャーンには対面での手続きを必須としたりしていました。 私たちは、このようなUXでの小手先戦術を実行可能な選択肢として考慮する段階をとっくに過ぎています。お客様がキャンセルしたいときは、簡単にできるようにしましょう。顧客をさらにイライラさせるようでは、顧客を取り戻すことはできないでしょう。 その代わりに、サブスクリプション成功に取り組む企業は自社のワークフローを検証し、顧客が解約に至るのを未然に防ぐ方法を考える必要があります。ここでは、顧客を維持するための具体的なステップをいくつか紹介します。

最もリスクの高い顧客と最も価値のある顧客を分類する

チャーンレートを下げる最善の方法は、そもそもチャーンしないようにすることですが、顧客がどのようなときにチャーンするのかをどうやって予測できるでしょうか? カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)ソフトウェア内のデータをよく見ると、これへの回答が明らかになります。顧客はこれまで支払いに苦労してきたでしょうか?サービスについて苦情を寄せたことがあるでしょうか?サポートにはこれまで何回連絡してきたでしょうか?できれば、営業チーム、ビリングチーム、サポートチームが持つ顧客情報を集約して一望できる サブスクライバー管理プラットフォーム​​が備えられていることが理想的です。 最新の分析プラットフォームは、APIとSDKを活用して既存のビジネスアプリケーションに拡張することで、このプロセスを容易にし、情報を引き出して、チャーンレートやライフタイムバリュー(顧客生涯価値)、その他のサブスクリプション評価指標を用いたカスタムレポートを生成できるようにします。 この情報に基づいて、チャーンする可能性が最も高い顧客と最も低い顧客を分類できます。これにより、どの顧客にもっと積極的に対応すべきかがわかるため、優先順位を決め、集中すべきはどこかを簡単に特定することができます。たとえチャーンが避けられないとしても、これは ​サブスクリプションエコノミーで成功するため​​の最善の方法です。
既存のお客様との関係を大切にする​ ​お客様がチャーンすると、多くの企業はすぐにその穴を埋めるために新たな見込み客を探します。それ自体には問題はありませんが、ご存知のように、新規顧客の獲得には、既存顧客の維持よりもはるかに多くのコストがかかります。実際、5~25倍にも及ぶとする試算もあるほどです。 つまり、既存の顧客ベースで行われる投資は、顧客獲得中に費やされるものよりも大幅に高いリターンをもたらす可能性があります。ですから、サブスクリプション管理プラットフォームで定期的に顧客対応をするための時間を割き、サブスクライバーがサービスについてどのように感じているかを調べるようにしましょう。 また、ウェビナーやデモ、ロイヤリティ/インセンティブプログラムなど、貴社サービスの価値をさらに高める教育リソースの開発も検討することをお勧めします。このような教育リソースの存在により、お客様は貴社とのパートナーシップをさらに心強く思うようになるでしょう。

Journey to Usership(ユーザーシップへの旅)

収益化および事業拡大を実現するプレイブック

サブスクリプションサービス立ち上げの場合、こちらの『収益化戦略ガイド』をお役立てください。本e-bookでは、各種業界の企業における様々なサブスクリプションビジネス展開についてご説明します。

サブスクリプション解約メールと終了プロセスを改善する

どんなに頑張っても、お客様がチャーンしてしまうことがあります。この時点では、チャーンしたお客様から学び、なぜ、チャーンを決めたのかを理解することに意識を集中させましょう。チャーンの確認メールで理由を尋ねることをお勧めします。 ご愛顧に対するお礼の言葉など、重要な点を押さえたテンプレートを作成しておきましょう。同時に、既存のお客様により良いサービスを提供できるよう、詳細を尋ねることも大切です。特に重要なお客様の場合は、チャーン理由に関する調査に時間を割いていただき、直接お話をうかがうのも良いでしょう。いずれにしても、今後活用できるような直接的なフィードバックを得ることが重要です。 調査では、気持ちをこめつつも、過剰にならないようにしましょう。簡潔で、丁寧かつパーソナルな印象を心がけます。お客様が簡単にチャーンを翻すようなことはあまりないかもしれませんが、十分に練り上げることで、安定した成果を生み出すテンプレートを作成することが可能です。

データ主体のプロセスを用いたサブスクリプションチャーンレートの最小化

チャーンレートがわずかであればビジネスコストとして許容範囲かもしれませんが、隠れた問題が修正されないままでいると、チャーンレートはあっという間に膨れ上がる可能性があります。 チャーンを減らすには、データを収集・整理し、お客様のモチベーションを把握し、お客様がチャーンを決める前にそのニーズを満たせるよう、何にフォーカスすべきかを予測します。これらは、サブスクリプションの基本的な管理方法であり、サブスクリプションの売上を一歩先へ進めるため、現在のプロセスに加え、未来のプロセスも後押しします。 企業がこれらの目標を達成するために、より高度なソフトウェアソリューションを活用することが当たり前になっています。これらのサブスクリプション分析ソフトウェアプラットフォームは、チャーンレートを分析するためにすぐに使える各種指標と、今後のチャーン傾向を予測するための統計モデルや顧客管理のためのセグメンテーションツールなど、傾向を深ぼりおよび分析するための評価ツールを提供しています。 Zuoraをはじめとするサブスクリプション管理プラットフォームは、このために開発されました。サブスクリプションビジネスに取り組む企業は、主要な会計、評価指標を簡単に収集し、顧客行動の動機についてより深い知見を得ることができるでしょう。 顧客の意図的ではないチャーン改善に取んでいる場合は、Zuora Collectをお試しください。このソリューションは、サブスクリプションビジネスの収益を最大化し、解約率を低減させることが証明されています。 Zuora Collectの詳細。

世界の主要企業がZuoraを活用しています。

Zuoraがバックグラウンドで稼働していることで、私たちは、ヘルスケア業界や医療関連プロバイダーのニーズに対応したプラン、オファリングの作成、そしてそれをベースにお客様に持続的な価値を提供することに集中できています。
– Rahma Samow
Siemens Healthineers デジタルヘルスグローバル部長

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Zuoraは業界のリーディングカンパニーとして、専門家やお客様、そしてパートナーと協力し、「Subscription Economy(サブスクリプションエコノミー)®」の浸透を推進し続けています。

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