最新の請求機能によるアップグレード
02
06 Minute Read
必要な自動請求機能の特定
すべてのビジネスは独自のものであり、請求のニーズもそれぞれ異なります。そのため、最新の請求ソフトウェアは、豊富な組み込みツールと機能を初期搭載しているだけでなく、貴社のビジネスに合わせてシステムを柔軟にカスタマイズできる点も特長です。
本章では、より効率的で合理化された請求プロセスを構築し、今後の成長と拡張性を長期的に支えるために、貴社に必要な自動請求機能とその特長の見極め方を解説します。
自動化およびカスタマイズ可能な請求書発行
手作業による請求書発行は、時間がかかるだけでなく、ミスも発生しやすいため、支払いの遅延や顧客との関係悪化につながる可能性があります。これらのプロセスを自動化することで、請求書が毎回正確かつタイムリーに作成・送付されることが保証されます。
以下の機能に対応した請求ソフトウェアを選定してください。
- 自動請求書発行: 類似した請求条件を持つ顧客グループに対し、スケジュール設定または都度対応で自動的に請求書を生成します。
- カスタマイズ可能な請求トリガー: 月次、年次、日次などの請求サイクルから選択が可能。特定のイベントや日付に基づいて請求トリガーを設定でき、業務要件に合致した請求プロセスを実現します。
- 請求書の提示: ブランドイメージに合わせて請求書をカスタマイズし、正確な通貨、言語、顧客ごとのカスタムメモなど、すべての請求項目を適切に表示できます。
- 請求書の調整: 請求漏れのない正確かつ法令遵守の請求書を維持。請求書の修正や特定のインボイスやアカウントの未収金管理のために、クレジットメモやデビットメモを作成できます。
柔軟な料金設定およびパッケージ化
顧客の期待はこれまでになく高まっており、購入する内容、方法、タイミングに柔軟性が求められています。顧客や市場の要求に迅速に対応し、ビジネスの成長に合わせて価格モデルをスケールまたは転換できるソリューションが必要です。
以下の機能に対応した請求ソフトウェアを選定してください。
- 単発課金: 商品やサービスに対して一度きりの支払いを提供し、顧客のニーズやビジネス要件に合ったシンプルな取引を実現します。
- 定期課金: 固定料金、従量課金、ボリューム課金など、柔軟なサブスクリプションモデルを導入できます。
- 従量課金: プリペイド残高、最低利用保証、使った分だけ課金、超過課金など、さまざまな従量制モデルでサービスを収益化できます。
- 標準搭載の料金設定: ローコード／ノーコードでビジネスユーザーにも使いやすい料金設計ツールを備え、多彩な価格モデルをすぐに導入可能です。
- スムーズな実験・検証: 適切なツールを活用することで、複数の価格モデルを素早く立ち上げ、テストし、反復改善でき、市場投入戦略の最適化に役立つ貴重なインサイトを得られます。
包括的な受注管理
受注管理は、貴社の顧客体験全体において重要な役割を果たします。このプロセスは、顧客が注文を行った時点から始まり、注文が完了するまで続きます。
最も古く基本的な商取引サイクルである一方で、受注管理は意外にも複雑な課題となる場合があります。
顧客の請求情報の更新、クレジットの適用、契約内容の変更などが必要な場合でも、請求ソフトウェアにはこれらの変更を円滑かつ効率的に処理するためのツールが備わっている必要があります。たとえば、顧客のサブスクリプションプランを変更した際には、システムが自動的に今後の請求書を調整し、財務記録を更新し、変更内容を顧客に通知するべきです。
このような容易な変更機能は、請求に関する異議や返品による調整などの例外処理にも適用されます。請求ソフトウェアは、これらの課題を迅速に解決できるだけでなく、コンプライアンスや報告目的で明確な監査証跡を維持できる必要があります。
以下の機能に対応した請求ソフトウェアを選定してください。
- オムニチャネル注文対応: 見積、Webサイト、アプリ、サービスパートナーなど、複数チャネルからの注文を一元的に取り込めます。
- 契約者注文変更: サブスクリプション注文の変更ごとに発生する請求、支払い、回収、収益認識などの業務影響を統合的に管理できます。
- 注文指標の可視化: 数量、MRR、TCB、TCV、ELPなどの注文指標を追跡することで、注文アクションがビジネスパフォーマンスに与える影響を把握できます。
直感的なアカウント管理
請求システムの一部として、顧客に関するすべての請求情報（会社情報や連絡先情報、支払条件、希望する支払方法など）を一元管理できる場所が必要です。直感的なアカウント管理機能により、アカウントの所有者や階層構造の設定・調整・レポート作成を迅速かつ容易に行うことができます。
以下の機能に対応した請求ソフトウェアを選定してください。
- アカウント階層管理: すべてのアカウントに対して親子関係を設定・調整できます。
- 階層型請求: あるアカウントがサブスクリプションを保有し、別のアカウントに対して請求を行うことが可能です。たとえば、子アカウントの利用状況を集計し、親アカウントに請求することができます。
- 多層レポート: 親アカウント単位で、すべての関連するエンティティを統合したレポートを作成できます。
統合型電子インボイス発行および税務管理
請求書発行は、ビジネスの財務運営において不可欠なプロセスです。しかし、紙ベースの請求書は作業負荷が高く、人的ミスが発生しやすいという課題があります。現在では、従来の請求プロセスに代わり、電子インボイス（e-invoicing）が普及しています。
電子インボイス（e-invoicing）とは？
電子インボイス（e-invoicing）とは、紙ではなく電子フォーマットで請求書の送受信を行うプロセスです。PDFや紙の請求書を送付するのではなく、XMLやJSONなどERPシステムが効率的に処理できる構造化された機械可読形式で請求データをやり取りします。
多くの国では、税務コンプライアンスの向上や不正防止のため、電子インボイスの利用が義務化されています。グローバル展開している企業は、現地拠点のある各地域でビジネスを継続するために、こうした新しい規制への対応が求められます。
企業は、競争力の強化、業務効率化、カーボンフットプリントの削減、規制遵守の観点から電子インボイスを導入しています。
以下の機能に対応した請求ソフトウェアを選定してください。
- 組み込み型電子インボイス発行: 主要な税務ソフトウェアベンダーとの事前構築済み連携により、世界各国の多様な税種や規則に効率的に対応できます。
- カスタマイズ可能なテンプレート: 各国固有の要件に対応し、請求書が現地基準を満たすことを保証します。
- 正確な税務計算: ネクサスや課税管轄に基づき、請求書に対して正確かつ網羅的な税額を適用します。
- 税務レポート・分析: 税務申告や納付のためにテレメトリーデータをエクスポートし、包括的な管理レポートを表示できます。
ヒント
新たな電子インボイス要件や変更への備えを万全に
現在、世界中で100カ国以上が電子インボイスに関する法規制を施行しており、さらに50カ国が同様の法制化を計画しています。これらの義務は多くの場合、官公庁向け（B2G）取引のみに適用されていますが、今後数年で企業間（B2B）取引にも影響が拡大する可能性があります。
効率化された決算およびレポーティング
競争力を維持し、財務の正確性を保つためには、財務データの集約・照合・検証をタイムリーかつ効率的に行う必要があります。これにより、決算に要する時間と労力を削減でき、最終的にはコストの低減とリスクの軽減につながります。
高度なレポーティング機能を備えた堅牢な請求ソフトウェアを活用することで、企業は財務状況をリアルタイムで把握し、会計基準の遵守を確実にし、成長を促進するための意思決定をより的確に行うことができます。
以下の機能に対応した請求ソフトウェアを選定してください。
- 包括的な財務レポーティング: カスタマイズ可能な財務レポート、ダッシュボード、分析ツールを備えた高度なレポーティング機能。収益、費用、キャッシュフロー、主要業績指標に関する詳細なインサイトを提供します。
- リアルタイムデータ連携: 他の財務システムやERPシステムとのシームレスな連携により、財務データがリアルタイムで更新されます。これにより、決算の遅延を防ぎ、正確かつ最新の情報が提供されます。
- 監査証跡とコンプライアンス追跡: すべての変更や取引を追跡できる監査証跡機能を標準搭載。透明性を確保し、財務規制の遵守や監査準備を容易にします。
見積機能のオプション
ビジネスやイノベーションのスピードは加速しており、それに対応できるConfigure Price Quote（CPQ）ソリューションが必要です。
以下の機能に対応した請求ソフトウェアを選定してください。
- 全ライフサイクル対応の見積: 新規契約からアップグレード、更新、解約まで、顧客のライフサイクル全体にわたり見積の作成・修正が可能です。
- ネイティブなランプ取引: 複雑かつ複数年にわたる契約条件を任意の期間でネイティブに管理・設定でき、各期間ごとの指標も把握できます。
- リアルタイム見積指標: 各取引が継続収益や達成目標に与える影響を測定できます。また、完全なOrder-to-Cashソリューションがあれば、見積・受注・請求・収益認識まで一貫したデータ管理が可能となり、見積内容と請求内容の整合性に自信を持てます。
請求ソフトウェアの詳細はこちら
顧客の嗜好や市場環境は常に変化しています。ビジネスの成長に合わせて進化できる、柔軟性と拡張性を兼ね備えた請求ソフトウェアが必要です。
引き続きご覧いただくことで、最適な価格設定ツールが新たな戦略の実験や新サービスの展開、市場投入までのスピードアップにどのように貢献できるかをご紹介します。
