Revenue Operationsリーダーは、SaaSモデルがソフトウェア企業の間で注目を集め始めた2000年代初頭から、「ARR」、「MRR」、「Churn Rate」といったKPI（重要業績評価指標）を追跡してきました。これらの指標は、年次トレンドを描くための素晴らしい出発点となりましたが、本当にどこまで多くのことを教えてくれるのでしょうか？

これらの指標は、以下のようなより深い問いに答えることができません：

「電子決済の失敗によって顧客や収益を失っていないか？」
「リアルタイムで収益数値を把握できないことが、迅速な意思決定を妨げていないか？」
「全ての潜在顧客のニーズを満たす価格設定やパッケージオプションを提供できているか？」

こうした複雑な問いには、より高度な分析と統合的な考察が必要です。

ベンチマーキングの力

Zuoraは、さまざまな業界、規模、収益化戦略においてRevenue Operationsリーダーを約20年にわたり支援してきた実績から、これらの問いに答え、意思決定を推進するための実用的な洞察を提供できるユニークな立場にあります。

2016年、私たちは顧客から蓄積された膨大なインサイトに注目し、初のSubscription Economy Index（SEI）を発表しました。これは、カスタマーセントリックなビジネスモデルを採用する企業の成長トレンドや健全性を報告するもので、現代ビジネスの基盤となっています。2024年4月には第8回年次レポートを発表し、経済的な逆風によって成長が鈍化する中でも、SEIに含まれる600社以上の企業がS&P 500企業を引き続き上回る成果を出していることが分かりました。

初回レポート以降、私たちの次なる問いは常に「なぜそれが可能なのか？」でした。さらに深掘りして調査した結果、SEIで高業績を上げる企業に共通する特徴を特定しました。この貴重なインサイトをもとに、各社が業界のリーダーや同業他社と自社の進捗を比較できるよう、以下のベンチマークを開発しました：

• クイックペイメント率
• 自動請求の効率性
• 電子決済成功率
• 帳簿締結までのスピード
• 年次価格更新頻度
• 柔軟性指数
• 比例利用請求

より良い意思決定を促すパーソナライズされたインサイト

これらの成長企業のリーディングインジケーターを「成績表」としてまとめ、Zuoraでは顧客との深く戦略的な対話をリードし、改善の優先分野やZuoraソリューションからさらなる価値を引き出す新たな方法を模索してきました。

「データの抽出、匿名化、分析、解釈、可視化、そして各顧客向けの説得力あるストーリー作りに数十時間を費やしました」と、当時カスタマーデータインサイト担当シニアディレクターだったJonathon Brownは振り返ります。

「個々の取り組みが全体のビジネス成果にどのように寄与しているかを把握していなかったチーム同士を結びつけることができました。私たちがベンチマークを提示したチームは、常により強い連携と、自社全体の収益化戦略に対する理解を深めて帰っていきました。」

Zuoraはすぐに、こうしたベンチマークをすべてのお客様へ、年1回のホワイトグローブサービスだけでなく、常に提供すべきだと認識しました。これらのベンチマークは、製品内で24時間365日利用できる必要があったのです。

アプリ内Benchmarksダッシュボードの導入により、Zuoraのお客様は膨大な過去データと分析をいつでも活用し、急速に変化する市場環境でも競争力を維持できるようになりました。

 

 

今や、RevOpsリーダーは、取締役会ミーティング、年次プロジェクト計画、最適化ミーティングの準備において、次回のビジネスレビューの時期に関わらず、業界をリードするベンチマークに対する自社の最新状況を把握できます。

今後、「KPIを超えて：セルフサービスによる戦略的プランニング」では、各ベンチマークの詳細や、それらを組織でどのように活用できるかについてご案内します。なお、ベンチマークの内容についてさらに詳しくご相談されたい場合は、いつでも担当CSMまでご連絡ください。