総契約価値(TCV)の計算方法 | Zuora

トータル・コントラクト・バリュー(TCV)とは?

トータル・コントラクト・バリュー(TCV)は、契約における定期収益および契約手数料の総収益を測定する指標です。サブスクリプション型ビジネスの成長を目指す企業にとって、必ず押さえておくべき重要な指標の一つです。
もし貴社が該当するのであれば、このガイドは最適です。本ガイドでは、TCVについて知っておくべきすべての情報を以下の内容とともにご紹介します。

  • シンプルな計算式を用いたTCVの算出方法
  • トータル・コントラクト・バリューとアニュアル・コントラクト・バリューの違い
  • トータル・コントラクト・バリューとライフタイム・バリューの違い
  • 重要な経営判断を行う際に、TCVを指標として使うべき場合・使うべきでない場合

自社の収益や成長を正確に予測したい方、マーケティングや営業予算のどの費用を削減すべきか判断したい方、次回の投資家ミーティングで問われる主要指標を把握したい方——

そのような方は、トータル・コントラクト・バリュー(TCV)の意味を理解しておく必要があります。

Photo of people sitting at a table

TCVの意味と事例

トータル・コントラクト・バリュー(TCV)とは、顧客が自社との契約期間中に支払う総額を指します。TCVを算出する際は、契約による定期収益に加え、追加の一時的な手数料も含めます。
分かりやすくするため、実際の計算方法に進む前に、まず事例を見てみましょう。
例えば、貴社が新しいプロジェクト管理ソフトのサブスクリプションを必要としているとします。月額650ドルのソフトウェアを3年間契約した場合、契約時にオンボーディング費用として500ドル、さらにソフトウェアのアドオン・サービスを一括1,200ドルで購入したとします。
この場合、ソフトウェア会社との契約総額は25,100ドルとなります。どのようにこの金額を算出したのでしょうか?その答えは、次のセクションでご紹介する計算式に従うだけです。

トータル・コントラクト・バリューの計算方法TCVを算出するには、以下のシンプルな計算式を用います。

TCV = MRR × 契約期間(月数)+ 一時的な手数料

前述の事例に戻ると、下記のようにTCV計算式を適用して25,100ドルを算出できます。

25,100ドル(TCV)= 650ドル(月額料金)× 36か月 + 500ドル(オンボーディング費用)+ 1,200ドル(アドオン費用)

TCVがACVやLTVと異なる点

トータル・コントラクト・バリュー(TCV)は、アニュアル・コントラクト・バリュー(ACV)ライフタイム・バリュー(LTV)と非常に似ているように思えるかもしれません。しかし、いくつかの共通点がある一方で、重要な違いも存在します。

TCVとACVの違い
ACVは、顧客が1年間に支払う定期収益の合計額を指します。
一方、TCVは、顧客がサブスクリプション契約期間全体を通じて支払う定期収益と一時的な手数料の合計額です。

TCVとLTVの違い
LTVは、顧客が自社との取引期間中に支払うと予想される総額を指します。
再度、TCVは、顧客がサブスクリプション契約期間中に支払う定期収益と一時的な手数料の合計額です。

いずれの指標もビジネスにとって有用ですが、TCVは契約に記載された具体的な数値に基づく予測であるのに対し、LTVは顧客関係の健全性を測るための潜在的な収益の予測値となります。

重要な経営判断にTCVを活用すべきタイミング

TCVの意味や計算式、他の重要指標との違いを理解したところで、TCVをどのようにビジネス成長に活用できるかを見ていきましょう。

以下は、トータル・コントラクト・バリュー(TCV)が経営判断に役立つ主な例です。

収益予測: TCVは、実際の売上に基づいた収益や成長の予測に有効な手法です。

収益認識 TCVを活用することで、予測収益に基づく意思決定の際にサブスクリプション収益を漏れなく計上できます。

マーケティング予算: TCVを用いることで、マーケティングチャネルやキャンペーンが成長に与える影響をより正確に把握でき、最適な予算配分の判断が可能となります。

顧客獲得コスト: TCVを活用することで、顧客のライフタイムバリューをより正確に測定し、新規顧客獲得に投下できる費用を把握できます。

顧客セグメント比較: TCVを使って顧客セグメントごとの価値を比較し、より価値の高いセグメントにマーケティングリソースを集中させることで、優良顧客の維持率向上につなげることができます。

サブスクリプション構成: TCVを活用して、どのタイプのサブスクリプションに注力すべきかを判断し、ビジネス価値の最大化を図ることができます。

営業パイプライン分析: TCVを用いて営業パイプラインの有効性を評価し、営業プロセスの最適化やボトルネックの特定が可能です。

営業目標(クォータ): TCVを活用することで、営業チームがより価値の高い顧客獲得に集中できるような営業目標を設定できます。

インセンティブ・コミッションプラン: TCVを基に、営業チームのコミッションプランを設計し、収益性の高いサービスの販売を促進するインセンティブ設計が可能です。

Blurred motion of a crowd of busy commuters with protective face mask walking through platforms at subway station during office peak hours in the city

重要なポイント

トータル・コントラクト・バリュー(TCV)は、サブスクリプション型ビジネスにおいて非常に有用な指標です。予算策定や事業成長の管理、投資家との対話の際に、収益予測として活用できます。

ACVやLTVと異なり、TCVは契約における定期的な請求額と一時的な手数料の価値を測定します。

このため、TCVは将来の収益をより正確に予測する指標となります。

TCVの計算式は非常にシンプルです。

TCV = MRR × 契約期間(月数)+ 一時的な手数料