TeamSpirit, Inc.

ケーススタディ

システム連携・業務自動化による収益化とオペレーションの大幅改善

会社:

TeamSpirit, Inc.

業界:

ソフトウェア

顧客

チームスピリットは、勤怠管理、工数管理、経費精算を一つのSaaSサービスとして提供するソリューションプロバイダーである。従業員の日々の業務で利用されるこれらのデータを蓄積・分析し、企業の働き方改革や業務効率化を支援。現在、約2000社、55万人のユーザーに利用されており、特にエンタープライズ市場に注力している。

挑戦

10年前からZuoraを導入し、課金管理に活用。しかし、その他の業務システムとの連携が進んでおらず、以下の課題を抱えていた。

・ 支払請求書の処理が紙ベースであり、大量の手入力が必要。
・ 給与計算や税務申告の際に、複数のシステム間でデータを転記する作業が発生し、効率が悪い。
・ 予算管理はExcelを使った手動作業で、リアルタイムな進捗確認が困難。

これらの課題により、オペレーションコストが高く、業務の属人化が進んでいた。

解決策

以下のシステム改善を実施し、業務効率を大幅に向上させた。

・ 販売プロセスの改善:SalesforceとZuoraの連携を強化し、見積書作成から請求書発行、入金処理までを自動化。
・ ERP導入:Oracle NetSuiteを導入し、販売プロセスから会計処理まで一気通貫の管理を実現。
・ 購買プロセスの効率化:チームスピリットEXを通じて支払データをERPと連携し、銀行システムとの自動接続を構築。
・ 予算管理の高度化:専用アプリケーションを導入し、予算進捗をリアルタイムで管理できる環境を構築。

メリット

1. 作業工数の削減
手入力作業を大幅に削減し、オペレーションの属人化を解消。また入金消込と回収確認が自動化され、入金処理の迅速化を実現。

2. 業務効率の向上
販売から会計までのプロセスを自動化し、決算業務を効率化。予算管理の精度とスピードが向上し、経営会議への迅速な報告が可能に。

3. 監査対応の強化
Zuoraを活用した収益認識プロセスで高い信頼性を獲得。

「我々の役割は、単に経理業務をこなすことではなく、ビジネスの成長を支える基盤をつくることだと考えています。そのために、Zuoraを含む各種システムを駆使し、業務の効率化と正確性を追求しています。」

コーポレートディビジョン ファイナンス &アカウンティングチーム
ディレクター Finance Controller 公認会計士
大藤 知則 氏

チームスピリットは、勤怠管理や工数管理、経費精算といった従業員の日々の業務を支えるSaaSサービスを提供している。2010年代初頭からデジタル化を積極的に進め、早い段階でクラウド型の業務管理ツールを導入した。

チームスピリットでは早くからZuoraを利用していたものの、当初は販売データの取り扱いや請求書発行が手作業に頼っている部分が多く、効率化の余地があった。支払請求書や給与計算に関するデータ処理もすべて手入力だったため、業務コストが高く、人的ミスのリスクもあった。

そこで、Zuoraの機能をフル活用し、Salesforceとの連携を強化することで見積もりから請求書発行、入金処理までの一連の流れを自動化した。さらに、ERPとしてOracle NetSuiteを導入し、会計データを一貫して管理できるようにする。この結果、以前は手作業に依存していた業務がほとんど不要となり、月次決算も迅速に対応できるようになった。売上データは締めた当日に取得し、3営業日以内に会計処理を完了する体制が整っている。

また、入金口座の管理に関してもZuoraから出力されたデータを無加工でNetSuiteの方に取り込んで仕分けを起こしている。過去は入金明細を人の目で確認して消し込んでいたが、バーチャル口座とZuoraと紐づけることで自動で回収実行ができるようになった。

さらに、Zuora Revenueを活用することで、複数年契約や変動対価といった複雑な契約にも柔軟に対応できるように現在導入中である。エンタープライズ市場では、多様な顧客要件に応じた契約プランが求められるが、現在はそれを短期間でリリースできる環境を整えている。

監査対応についても、収益認識プロセスの信頼性が向上して、監査法人からの指摘を大幅に削減。特にIPO後も、継続的な業務改善を進めながら高い水準でのコンプライアンスを維持する。

結果として、属人化していた業務が標準化され、今では少数のチームでも効率的に業務を回せるようになった。今後もこの体制を維持しつつ、さらなる業務効率化を目指している。

Cogent Labs
弁護士ドットコム株式会社