PeopleX

ケーススタディ

オペレーションを最適化し、事業の加速を実現

急成長とグローバル展開を支える柔軟な収益基盤

会社 :

PeopleX

業界 :

ソフトウェア

顧客

株式会社PeopleX(以下、PeopleX)は2024年に創業したスタートアップであり、「ピープルサクセス」をミッションに掲げ、AI技術を活用した採用支援および活躍支援のSaaSプロダクトを展開している。主力製品は対話型AI面接官「People XRecruit」と、入社後の活躍支援を行う「PeopleWork」である。創業当初より複数のプロダクト展開およびグローバル進出を見据えたマルチプロダクト戦略を採用している。

課題

創業初期から複数のプロダクトを展開する中で、従量課金やコンサルティング契約といった多様なビジネスモデルに対応可能な柔軟な販売管理基盤の構築が求められていた。さらに、頻繁なプライシング変更、契約形態の複雑化への対応に加え、将来的なM&Aや海外展開への備えも必要とされていた。成長スピードに販売・請求管理体制が追いつかず、ボトルネックとなるリスクを回避することが喫緊の課題であった。

ソリューション

PeopleXでは、創業当初より社内開発を選択肢とせず、スケーラビリティおよび導入実績に優れたZuoraの採用を決定した。Salesforceとの連携を活用することにより、従量課金やパッケージプランの切り替え、コンサルティング契約など、複雑な料金体系にも柔軟に対応可能な環境を構築した。また、社内向けマニュアルや説明会動画を整備することで、Zuoraの利活用に向けた社内運用の定着および業務効率化を推進した。

導入効果

Zuoraの導入により、頻繁に発生する契約や料金変更への対応が大幅に効率化され、急成長フェーズにおいても事業運営が滞ることなくありたい姿をスピーディーに実現することが可能となった。また、請求書発行の自動化によりオペレーションコストの抑制および業務効率の向上を実現している。さらに、将来的なグローバル展開に向けたセルフサーブ型サブスクリプションモデルの導入や、M&Aによるプロダクト統合やクロスセルにも対応可能な柔軟な基盤として、Zuoraが活用されている。

「Zuoraのプライシングのベストプラクティスに基づき、従量課金とパッケージプランのバランスを見ながら、継続的にプランを最適化しています。」

代表取締役CEO
橘 大地氏

 

「Zuoraを使うことで、頻繁な契約・料金変更にもスピーディに対応できるようになりました。事業の拡大に合わせて柔軟にスケーリングできています。」

取締役CFO
開田 康志氏

PeopleXのミッションと戦略的構想 ― 急成長を見据えた初期設計

 2024年に創業したPeopleXは、早期のARR100億円達成を目標に掲げ、対話型AI面接官「People XRecruit」や、入社後の活躍を支援する「PeopleWork」など、複数のSaaSプロダクトを同時に展開し、急速に事業を拡大している。

同社の代表取締役CEO 橘 大地氏は次のように語る。

「私たちは“ピープルサクセス”をミッションに掲げ、個人と組織の可能性を最大化したいと考えています。マルチプロダクト展開を前提とした事業設計と、将来のグローバル展開も視野に入れた構成で、最初からスケーラブルな仕組みを意識していました。」
(橘氏)

今後のM&Aやセルフサーブ型モデルの導入も含め、将来的な成長を見越したビジネス展開を実現するために、強固な基盤づくりが求められていた。

 

Zuora導入の経緯 ― 成長に対応できるマネタイゼーション基盤の選定

PeopleXでは、創業当初から複数のSaaSプロダクトを同時に展開するマルチプロダクト戦略を前提としており、それぞれ異なる契約形態や料金体系への対応が求められていた。成長フェーズで必要となる契約変更やプラン改定の頻度を考慮し、スケーラビリティの高い外部サービスを早い段階で導入する決断を行った。

「販売チャネルごとにプライシングを調整したり、プラン構成を頻繁に見直すことは前提になっていました。複雑なプライシングになることは避けられず、柔軟に管理できる仕組みが必要という認識でした。」
(橘氏)

社内の開発リソースをプロダクトに集中させる方針だったこともあり、自社開発ははじめから検討の対象外だった。複数の選択肢を比較検討する中で、機能面、運用のしやすさ、将来的な拡張性などを総合的に判断し、Zuora導入を決定。取締役CFO 開田 康志氏は以下のように語っている。

「今後の拡張性や、事業フェーズの変化に耐えられるかどうかという観点で選びました。実績やスケール感を考慮したときに、要件に合っていたのがZuoraでした。」
(開田氏)

橘氏は以前の業務でZuoraの導入および利用をしており、導入後のイメージが具体的に持てていた点も判断材料のひとつだったという。

 

プライシング戦略の試行錯誤と柔軟な設計思想

PeopleXでは、新規サービスの立ち上げの直後から、コンサルティング型や従量課金型など新たな収益モデルを加えた。

「たとえば、一定の利用量を超えると従量課金に切り替わるような体系など、サービスの特性や顧客要望に合わせて課金プランを細かく設計しています。」
(開田氏)

プライシング戦略においては、Zuoraが運営するSubscribed Instituteによる「売上のうち1〜25%程度を従量課金で構成する」というベストプラクティスを参考にしつつ、データを見ながら課金プランの比率を調整。将来的な予測可能性と収益性のバランスを重視して設計を進めている。

「従量比率が高すぎると予測が難しくなるので、状況に応じてパッケージプランへ切り替えるなど、柔軟にコントロールしています。KPIに沿って設計することで、SaaSとしての“型”も固まりつつあります。」
(橘氏)

 

Zuora導入の効果 ― 契約対応の迅速化と業務コストの削減

Zuoraの導入により、PeopleXでは複数のプロジェクトが並行して進む中で発生する契約変更や料金改定への対応が大幅に効率化された。プロダクトや契約形態ごとの条件が多岐にわたる中でも、スピーディに処理できる体制が整ったことで、日々の業務負荷が軽減されている。

「契約内容やプラン変更が頻繁に発生する環境では、本来なら膨大な確認作業や調整が必要になりますが、Zuoraを使うことでそれらを短時間で対応できるようになりました。非常に大きな効果を感じています。」
(開田氏)

また、請求処理の自動化を進めたことにより、外部の経理業務委託にかかるコストも抑制された。

「請求書の発行など、以前はExcelでの作業が必要だった部分を自動化したことで、外部の委託事業者へのコストも下がっています。運用面でも確実に効率化が進みました。」
(開田氏)

導入効果は業務スピードの向上だけでなく、コスト構造の改善にもつながっており、オペレーション全体の最適化が着実に進んでいる。

 

運用体制と導入タイミングの考え方

Zuoraの活用において、PeopleXでは社内で自走できる体制の構築を重視している。導入初期から業務メンバーが参加し、極力社内で対応できるような体制を整えてきた。

「基本的には、できる限り社内で完結できるようにしていきたいと考えています。社内メンバーも導入初期から関わっており、社内で理解を深めて、自走できる状態を目指しています。」
(開田氏)

一方で、技術的な仕様の確認や設計方針の検討といった専門性が求められる場面では、外部からのサポートを活用し柔軟に対応できる体制を整えている。

「Zuoraの仕様や構成に関する技術的な問い合わせや設計のアドバイスについては、今後も必要に応じてご相談させていただきたいと考えています。」
(開田氏)

また、Zuoraをこれから導入する企業に向けては、「導入タイミングの重要性」を強調する。同社では、創業時から導入を前提に業務設計を行っていたことで、後の移行や再構築といった負担を回避することができたという。

「私たちは最初からZuoraを導入したのが良かったと実感しています。過去の業務で運用開始後に管理プラットフォームの追加導入を行ったことがありますが、そのときは移行が本当に大変でした。そうした苦労を回避するためにも、初期段階での導入が有効だと考えています。」
(橘氏)

ゼロボード
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