弁護士ドットコム株式会社

ケーススタディ

請求から売上計上までを自動化し、電子契約サービス業界をリード

データ分析基盤のさらなる強化を図り、業務効率化と正確な収益管理を実現

会社:

弁護士ドットコム株式会社

業界:

ソフトウェア

顧客

弁護士ドットコムは、クラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」を提供するSaaS企業。クラウドサインは、契約書の作成・署名・管理をオンライン上で完結できるサービスで、契約業務を効率化し、紙の契約書に伴う業務負荷を軽減する革新的なソリューションを提供する。

2015年のサービス開始以来、クラウドサインは急速に成長を遂げ、現在では多くの企業が契約業務のデジタル化に活用している。累計契約件数は数百万件に達し、国内の電子契約市場を牽引する存在である。

挑戦

クラウドサイン事業の成長に伴い、複雑な料金体系や多様な販売チャネルを正確に管理する必要があった。月額固定料金、従量課金、年間一括払い、ティア課金といった多様な課金モデルに加え、直販や代理店販売など複数のチャネルを展開していたため、管理が非常に煩雑だった。また、売上見込みの精度向上や、手作業によるデータ集計の属人化を解消し、リアルタイムな意思決定を可能にすることが課題となっていた。

解決策

複雑な契約・課金管理を効率化するため、弁護士ドットコムはZuoraを導入し、契約情報を一元管理。受注確定後に自動でサブスクリプションを作成し、請求から売上計上までを自動化することで業務負荷を軽減した。また、売上見込みと実績を定期的に比較・分析し、ギャップの特定と改善を行っている。さらに、DataOps部門と連携し、リアルタイムなデータ活用環境の整備も進める。

メリット

Zuoraによる契約・課金管理の一元化で業務効率が向上し、手作業によるミスを防いだ。売上見込みの精度が高まり、迅速な意思決定が可能になった。また、KPIの可視化により契約更新率や解約率の管理が強化され、顧客維持と収益安定化を実現。さらに、回収業務の効率化によって未回収リスクを軽減し、キャッシュフローの改善につながった。

「多様な課金モデルを扱う中で、Zuoraを活用して契約データを一元管理し、請求から売上計上までのプロセスを自動化することで、複雑さ情報をシンプルに見える形にしています。」

クラウドサイン事業本部 事業戦略部 
部長 鵜澤 尚弘 氏

弁護士ドットコムは、クラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」をはじめとする多様な法務業務支援サービスを展開している日本最大級の電子契約サービス提供企業。契約業務をオンライン上で完結できるクラウドサインは、2015年のリリース以来、累計契約件数が数百万件を超え、国内の電子契約市場をリードする存在となっている。

同社では、クラウドサイン事業の成長に伴い、複雑化する課金モデルと多様な販売チャネルを効率的に管理する必要があった。その解決策として2017年頃からZuoraを導入し、契約や課金情報を一元管理する仕組みを構築。Zuoraによって請求や売上計上のプロセスを自動化し、業務効率化を進めるとともに、売上の予実管理を行う基盤を整えている。

同社の料金体系は、月額固定料金に加え、1件ごとの従量課金や年間一括払い、ティア課金など多岐にわたる。また、直販、販売代理、OEM、セルフサーブといった複数の販売チャネルが組み合わさることで、非常に多くの商品パターンが存在する。Zuoraを基盤にすることで、これらの契約情報を統合的に管理し、複雑な課金モデルへの対応を可能にした。

業務プロセスは「商談と受注」「請求と売上計上」「回収と更新」という3つのフェーズに分かれ、それぞれのフェーズでデータを活用している。商談と受注フェーズでは、Salesforceを活用して商談データを管理し、進捗に応じた売上見込みを集計している。ここで特に重要視されているのが、契約書の送信件数の見込みだ。契約書送信件数が売上の一定割合を占めるため、過去のデータや季節ごとのトレンドを考慮しながら予測を立てている。この際、Zuoraから取得した単価情報を掛け合わせることで、より精度の高い売上見込みを算出する。

請求と売上計上フェーズでは、Zuoraを活用して請求と売上計上を自動化。また、実績と見込みを比較し、ギャップが生じた場合にはその原因を特定し、必要な対策を講じている。このギャップ分析によって、売上予測の精度向上と効率的な業績管理を実現した。

回収と更新フェーズでは、Zuoraのデータを活用して未回収債権や回収率を把握し、必要に応じて対応する。また、契約更新率や解約率といった重要なKPIもZuoraを基に分析することで、顧客の継続率向上や収益安定化に取り組む。

これらの業務プロセスにおけるデータ活用は、週次・月次で行われ、各部門長が集計データをもとに状況を確認し、次のアクションを決定する仕組みになっている。しかし、現状では一部のデータ集計が手作業に依存していることから、属人化やリアルタイム性の課題がある。これに対応するため、全社共通のDataOps部門と連携し、リアルタイムでデータを同期しながら意思決定を行える環境を整備する計画だ。

さらに、Zuora Revenueの導入を進めることで、収益認識のプロセスを効率化し、従来の手作業に頼らない収益見込みが可能になると期待する。また、Tableauを活用した予実管理フォーマットの整備により、データの可視性とアクセス性を向上させ、営業や経理を含む各部門の業務効率をさらに高めていく予定だ。

弁護士ドットコムは、データ分析基盤のさらなる強化を図り、業務効率化と正確な収益管理を実現することで、電子契約サービス業界をリードし続ける。

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