目的に特化したメディエーションエンジンで継続的な成長を実現

従量課金モデルは急速に人気を集めています。実際、最近の調査によると、企業の約半数(46%)が過去3年間で何らかの従量課金モデルを導入しています。

従量課金モデルの導入を検討中、またはすでに導入している場合、価格設定やパッケージング、そして全体的なGo-to-Market(GTM)戦略について多くの時間を費やしていることでしょう。

従量課金の導入を始めたばかりの多くの企業は、価格プランの選定と実装プロセスである「レーティング」にすぐに取り掛かります。しかし、価格設定やパッケージングを最適化する前に、まず顧客とその利用パターンを包括的に理解する必要があります。これは「メディエーション」と呼ばれるプロセスで、顧客の利用データを収集・測定することで実現できます。

メディエーションは、すべての利用イベントに内在する情報を最大限に活用するために、顧客の利用データを統合・計測・追跡します。顧客が実際にどのように自社の製品やサービスを利用しているかについて、正確かつタイムリーなデータを得ることは、従量課金の価格設定や請求戦略を最適化する上で不可欠です。

このデータを取り込み・測定するために、請求システムの上にカスタマイズされたソリューションやアドオンを重ねることも可能ですが、ほとんどの企業にとって最も効率的かつコスト効果の高い解決策は、メディエーションエンジンです。これは、あらゆる従量データのニーズに対応し、既存の請求・収益認識システムと連携できる専用ソリューションです。

メディエーションエンジンとは?

家庭の電力量計が電力使用量を計測し、請求可能なキロワット時(kWh)に変換するのと同様に、メディエーションエンジンは事前に定義された従量価値指標ごとに計測・測定を行います。貴社の場合、これらの従量価値指標はkWhではなく、ストレージ容量(GB)や通話時間(分)などが該当するかもしれませんが、基本的な考え方は同じです。

しかし、利用データやメディエーションプロセスは、それ以上の多くの用途に活用できます。継続的な成長を推進し、従量課金戦略を成功させるためには、クロスセル・アップセルの機会やコスト削減策など、実用的なインサイトを導き出すことが重要です。顧客が「いつ」「どこで」「なぜ」「どのように」自社製品を利用しているかを深く理解することで、提供内容や価格設定、製品自体を最適化できます。

多くの企業は、どのようなメディエーションソリューションを選ぶべきか分からなかったり、その必要性にまだ気付いていない場合があります。R&DやIT部門が独自のメディエーションツールなど、カスタムソリューションの構築・運用を担わされることも少なくありません。

あるいは、アドオン製品やETL(Extract Transform and Load)ツールを選択する場合もありますが、最終的にはこれらのソリューションが多くの開発者リソースを必要とし、コスト増につながることが判明するケースが大半です。

一方、メディエーションエンジンは、従量データの収集・計測・変換に必要なすべてのツールとデータを提供します。プロダクトマネージャーは、リアルタイムでの可視化により、従量課金からハイブリッド型モデルまで、価格設定を迅速かつ柔軟に切り替えることが可能となります。

さらに、従量課金戦略の一環として、メディエーションエンジンは、顧客が「必要なときに必要な分だけ」利用できる柔軟性と、自身の利用状況や料金を透明性高く把握できる環境を提供します。

以下のセクションでは、メディエーションプロセスの各ステップを順に確認し、メディエーションエンジンがどのように業務効率化に寄与できるかを解説します。

従量データの取り込みと保存

メディエーションを開始するには、すべての関連ソースから従量データを収集する必要があります。これは、ユーザーの操作履歴、システムログ、センサー、その他のデータソースなどが該当します。

メディエーションソリューションがない場合、IT部門が自社製品から発生するすべての従量データの管理、ルーティング、クレンジングを担うことになります。数千件のイベントをデータウェアハウスに集約した後、そのデータを分析・変換し、活用可能な状態にする必要があります。

メディエーションエンジンは従量データの取り込みと保存にどのように役立つか?

メディエーションエンジンは、APIやバッチアップロードを活用して、複数のソースからほぼリアルタイムで従量データを自動的にストリーミングできます。ピーク時にも対応できるよう、1回あたり最大約20万件の利用イベントをストリーミングできるソリューションを選定しましょう。

また、集約・保存専用のメディエーションエンジンを活用することで、従量データの管理性・アクセス性・セキュリティが向上します。さらに、別途データウェアハウスを用意する必要がなくなり、不要なストレージコストの削減にもつながります。

従量データの変換

従量データの変換は、生データや非構造化データを分析・計測・レーティング・請求・収益認識に適した形式へ変換する重要なステップです。この段階では、不整合・重複・不要データ・外れ値などを除去し、生データをクレンジングします。

続いて、データフォーマットを標準化し、用途に応じた変換処理を適用します。たとえば、主要な従量価値指標が「使用ストレージ容量(GB)」の場合、関連データがすべてこの単位で表現されていることを確認します。これにより、データセット全体の一貫性が保たれ、複数の事業部門でのデータ活用が促進されます。

メディエーションエンジンはデータ変換にどのように役立つか?

データ変換は、自社開発のメディエーションツールやETL(Extract Transform and Load)で実施すると、非常に手間がかかり、エラーも発生しやすくなります。専用のメディエーションソリューションを導入することで、新たな従量データソースも迅速に標準フォーマットで取り込むことができ、請求・収益認識部門でも容易に活用できます。自動重複排除・変換・検証機能を備えたソリューションを選ぶことで、データ部門の工数削減にもつながります。

従量データの計測(メータリング)

従量データを集約・変換した後は、「メータリング」と呼ばれるプロセスで計測を行います。そのためには、顧客データを分析し、自社製品・サービスにとって重要な指標を特定する必要があります。これらは、顧客への課金に用いるパラメータや属性です。従量課金モデルでは、主要な従量価値指標を特定・計測することが重要です。

これらの主要指標は、単に自社が追跡可能な利用属性であるだけでなく、顧客価値との整合性、成長余地、そして顧客・自社双方にとっての予測可能性を備えている必要があります。調査によれば、利用量と定期収益の両方を指標としたハイブリッド型従量モデルを活用する企業は、年次経常収益(ARR)の前年比成長率で他社を大きく上回っています。

一般的な指標例:ユーザー数、消費データ量、イベント数など。

最適な従量価値指標を選定する際は、以下の属性を考慮してください。

  • 価値ベース。 顧客にとって価値交換が明確であること。この指標が多く使われるほど、顧客が得る価値も増えます。
  • 計測可能。 正確に追跡・計測できること。計測できないものに課金することはできません。
  • コントロール可能。 利用に対して課金する場合、顧客が自身でコントロールできる必要があります。外部要因によって請求額が左右されることは避けましょう。

すでにETLツールを導入している企業は、それを従量データの計測に活用する場合もありますが、ETLツールはバッチ処理のみで、カスタマイズや保守に開発者の関与が必要です。新たなサービスを追加するたびに、メータリング要件が市場投入までのスピードを遅らせる要因となります。

収益認識にも影響が及びます。適切なメータリングや計測が行われていない、または会計部門がすぐに利用できる形でデータが整備されていない場合、収益認識の処理が遅れ、ビジネス全体に悪影響を及ぼします。

メディエーションエンジンはメータリングや主要指標の特定にどう役立つか?

メディエーションエンジンは、顧客の利用に関するデータの収集・集約・分析・モニタリングを支援します。このデータドリブンなアプローチにより、価格モデルに最も適した指標を見極め、顧客行動や価値に合わせた価格設定が可能となります。

価格設定の根拠となる属性が多いほど、顧客に最適なオファーを設計できます。ドラッグ&ドロップ機能を備え、最適な指標の組み合わせを迅速に構築できるソリューションを選びましょう。

従量データの追跡

これらすべてのステップを連携させ、価格設定やパッケージングの継続的な改善を実現するには、従量データの収集から収益認識までを一元的に追跡できるシステムが必要です。

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従量データを確実に追跡・保存できるシステムは、顧客からの請求に関する問い合わせや異議申し立てへの対応にも不可欠です。自社開発やアドオン、ETLソリューションでメディエーションを行っている場合、従量データが監査対応や証拠能力を持たず、顧客からの問い合わせ時に詳細な利用データを請求担当や開発者が提示するまでに数週間かかることもあります。

顧客はリアルタイムでの従量状況の可視化を重視しており、日々の進捗確認や超過予測、請求内容の確認が可能になることを期待しています。従量データの追跡により、しきい値通知の発信や顧客自身による利用状況のモニタリングが実現し、顧客満足度の向上につながります。また、利用予測機能により、企業側は顧客の行動を把握し、高利用顧客へのアップセルや拡張機会を予測することも可能です。

メディエーションエンジンは従量データの追跡にどう役立つか?

サービスの利用量、利用者、利用時期などの属性を自動的に追跡・レポートできるシステムを選びましょう。メディエーションエンジンは、関連システムやチームを横断してデータの流れを追跡でき、企業と顧客双方の透明性を高めます。

次のステップへ

従量課金モデルのメリットは非常に大きく、その実現には全社的に顧客価値の理解と提供に注力することが求められます。メディエーションプロセスの自動化が進むことで、従量データの正確性・アクセス性・管理性が向上します。さらに、価格設定やパッケージングも、顧客の利用パターンに関するリアルタイムインサイトを活用して迅速に最適化できます。

以下のリソースもご参照いただき、自社・顧客・製品に最適な従量課金戦略の導入をご検討ください。