CAOやコントローラー、収益会計リーダーとお話しする際によく耳にするのが、「当社の収益プロセスは自動化されています」という言葉です。しかし、詳しく調査してみると、実際にはカスタマイズされたERP収益認識モジュールと多数のスプレッドシートが複雑に絡み合っている状況が浮かび上がります。これは自動化とは言えません。
このレベルの自動化は決して簡単ではない、と思われるかもしれません。しかし、私たちはお客様から「導入やコストにかかる労力を大きく上回るメリットがある」と繰り返し伺っています。実際、多くのお客様が「もっと早く収益プロセスを自動化すればよかった」と話されています。
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エンドツーエンドの収益自動化を導入すれば、収益チームは取引量の増加による人員増加を心配する必要がなくなります。
スプレッドシートは、一定量以上の取引件数に達すると破綻し始め、毎月多くの時間をかけて収益会計データの検証や保守を行う必要があります。スプレッドシートは会計チームが何十年にもわたり、完全かつ正確な収益数値を算出するために活用してきた強力なツールですが、そのデータ容量には限界があります(Excelの場合、約100万行)。そのため、一つのスプレッドシートで処理できる取引件数にも制約が生じます。この上限の半分に達したデータセットを扱ったことがある方なら、砂時計やカラーホイールが表示される苛立ちをよくご存じでしょう。この容量制限により、収益データを分割して処理せざるを得ず、非効率が生じるだけでなく、エラーの発生リスクも高まります。
スプレッドシートにとどまらず、ERPは最終的な収益数値を記録するために設計されており、顧客関連データを含むすべての契約情報を保管するためのものではありません。スプレッドシート同様、ERPにもシステム内で処理・保持できるデータ量には上限があり、これにはコスト面での影響も伴います。こうした制約や追加コストを回避するため、多くの会計チームは必要なデータを集約するために、カスタムレポートやクエリ、あるいは独自のコードを作成せざるを得ない状況に直面しています。
自動化された連携によって収益データを一元化することで、手作業で更新やリンクが必要なスプレッドシートの煩雑なネットワークを排除できます。多くの時間を要する付加価値の低い手作業を大幅に削減できるため、業務効率が向上し、決算までの期間短縮やコスト削減といった大きな効果が直接得られます。多くのチームが、決算期間の短縮、従業員の残業削減、そしてより戦略的な業務へ集中できるようになったという成果を実感しています。
手作業によるプロセスは、さまざまなリスクをもたらします。人的ミスのリスク、プロセスやアドホックな仕組みに関する知識を持った主要な従業員の退職リスク、データ転送やカスタムスクリプトが破綻するリスクなどです。データの手動抽出や加工、さらに月末の決算作業で従業員が深夜まで長時間働くことが重なると、人的ミスによる管理不能なリスクが生じ、最終的にプロセスの失敗につながります。収益自動化は、ハンズオフのデータ管理手法により人の介在を排除し、エラーの発生を大幅に低減します。
手作業のスプレッドシートを確認し、会計担当者がすべての作業内容を証明しなければならないプロセス監査とは異なり、収益自動化では監査人が自動化システムの技術そのものを確認するシステム監査が可能になります。強力な技術的統制があれば、企業のリスクプロファイルは低下し、透明性が向上するとともに、監査対応に要する従業員の時間も削減され、監査人による迅速な検証を可能にする内部統制の強化にもつながります。リスクと検証時間の削減(たとえば、手作業による統制の大規模サンプル検証ではなく、年1回のサンプル検証で済む)により、監査人への報酬や残業・追加リソースのコスト削減が期待できます。Gartnerによれば、内部統制の自動化によって監査報酬が27%削減されるとされています。収益自動化は、アクセスコントロールによるセキュリティ向上とともに、問題の予防・検知を容易にします。これらは手作業プロセスでは実現できません。
顧客は柔軟なビジネスモデルにより大きな価値を見出すようになっており、これに対応するため企業も契約内容、ひいては収益認識プロセスの機動性を高める必要があります。こうしたビジネスモデルは企業に多くのメリットをもたらしますが、使用量ベースの価格設定や新製品、製品バンドルといった新たな価格モデルは、収益認識プロセスに複雑さをもたらします。その結果、決算を締めるまでに追加の時間やリソースが必要となり、最終的な収益数値の精度を確保する必要が生じます。収益自動化を導入すれば、より少ないリソースで複雑な処理にも対応でき、財務・営業・経営など複数部門の社員にとって業務プロセスを大幅に効率化できます。
収益自動化を活用すれば、収益管理の担当者は月末や四半期末の数値確定を待つことなく、いつでも最新かつ正確な(GAAPまたはIFRS基準の)収益数値を把握できます。これにより、営業インセンティブ、値引き、新市場の動向などに関する意思決定を、リーダーが十分な情報をもとに積極的に行うことが可能になります。また、収益認識チームは取締役会や投資家、ウォール街に対し、より精度の高い予測を作成できるようになります。これにより、決算期末に予想と異なる数値や監査人が懸念するミスが発生し、提出遅延や投資家の信頼低下を招くといった事態を回避できます。自動化された収益サブレジャーは、関係者が多角的にアクセス・分析できる唯一の信頼できる情報源となり、FP&Aチームの自立性と収益データへの信頼性を高めます。
新たな企業を買収する場合でも、自社が買収される準備を進める場合でも、他のシステムとシームレスに連携できる収益認識システムを備えていることが極めて重要です。IPO、SPAC申請、その他のM&Aなどの取引時には、会計・財務チームが多様な視点から大量の収益データを分析できる環境が求められます。例えば、FP&Aチームは、合併交渉時に統合されたすべての事業体の収益データをウォーターフォール形式で確認できなければなりません。収益認識の自動化により、収益に関する質問に迅速に対応できるだけでなく、場合によっては取引の成否を左右する決め手になることもあります。
収益認識の専門家は優れた問題解決能力で知られていますが、実際には多くの収益認識チームが、その大半の時間をスプレッドシートの操作や数式の確認に費やしています。収益自動化を導入すれば、高度なスキルを持つ会計専門家がトレンド分析や他部門との連携による戦略的・将来志向の収益計画に注力できるようになります。これにより、会計チームは経営の意思決定に参画し、組織全体の中で影響力と存在感を持つビジネスパートナーとしての地位を確立できます。
多くの収益会計担当者は、手間のかかる手作業をこなすよりも、分析業務や営業部門・ディールデスクとの社内取引交渉など、戦略的な業務に時間を使いたいと考えています。どの会計職でも、エントリーレベルでは一定の手作業や繰り返し作業が日常的に含まれますが、収益自動化によって付加価値の低い業務が最小化され、従業員のエンゲージメントや定着率が向上します。こうした高度な専門性を持つ人材が、深夜まで労働集約的な作業に従事する必要はありません。本来、彼らは適切な業務量のもとで、ビジネスに実際のインパクトをもたらす目標に責任を持つべきです。
次のステップに進む準備はできていますか?Zuora Revenueは、あらゆるビジネスモデルに対応した収益認識を自動化し、チームがこれらの収益ストリームをリアルタイムで照合・レポートできるようにします。導入実績の90%以上でカスタマイズは不要です。ぜひお客様の声をご覧ください。
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